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EU離脱、再国民投票のカードを切ったメイ首相

EU離脱、再国民投票のカードを切ったメイ首相

Posted May. 23, 2019 08:33,   

Updated May. 23, 2019 08:33

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英国のメイ首相が、EU離脱協定案をめぐり、最後の賭けに出た。英紙ガーディアンなどによると、メイ氏は21日、ロンドンのプライスウォーターハウスクーパースの本部で来月初めに下院で採決される「EU離脱に関する新たな提案」を発表した。この10の提案には、メイ氏がこれまで反対していた2度目の国民投票も盛り込まれた。

メイ氏は、「個人的には2度目の国民投票が進むべき道だとは信じない」としつつも、「これを心から望む人もいる」と話した。そして、自身の案を国民投票に委ねるかどうか議会に問うと明らかにした。議員がこの案を可決すれば、2016年6月の1度目のEU離脱投票に続き、2度目の国民投票が行われる。

ロイター通信は、メイ氏の賭けが、野党である労働党の支持を狙ったものと分析した。10の提案には、一時的にEU関税同盟に残留する案を議会が選べるようにする内容が含まれた。労働と環境をEUの水準で維持するという内容など労働党が要求してきた案も含まれた。メイ氏はこの6週間、EU離脱協定案と関連して労働党と合意を試みたが、先週、決裂した。

政治メディア「ポリティコ・ヨーロッパ」は、「辞任を迫られているメイ氏が、最後の賭けに出た」とし、「議会が国民投票まで拒否すれば、(メイ氏は)協定案を議会が可決するよう迫ることができると判断している」と分析した。

 

しかし、メイ氏の提案は保守党と労働党いずれからも非難された。メイ氏が労働党に求愛した格好だが、労働党のジェレミー・コービン党首は、「先週、物別れに終わった悪い提案を再包装した水準」とし、拒否の意向を明確にした。労働党は、EUと永久的な関税同盟を望み、国民投票もEU離脱協定案そのものを修正できるほど広範囲な内容を含むことを要求している。

労働党との合意の試みを快く思っていなかった保守党は、メイ氏が2回目の国民投票カードまで出すと、激怒するムードだ。保守党のロバート・ハルパーン議員は、「国民投票を提案することは、首相選出後にしたすべての話を覆すことであり、2016年の国民投票に対する裏切り行為だ」と非難した。サイモン・クラーク議員などメイ氏に友好的だった保守党議員まで反対に背を向けた。次期保守党代表に名前が挙がっているボリス・ジョンソン前外相は、「欧州議会選挙を控えて出た今日の発表は、ただ(極右)ブレクジット党の気分だけ良くした提案」と非難した。

EUの反応も思わしくない。EU関係者はガーディアンに、「メイ氏に対して期待せず、新しい首相の案を見るまでは全ては騒音にすぎない」と述べた。フランスのルメール経済・財務相も21日、記者団に、「EU離脱交渉の期限が延び、ブレクジット党が欧州議会に入ってくることになり、非常に頭の痛いことになった」とし、「英国はできる限り早期にEUを離脱すべきだ」と主張した。


董正民 ditto@donga.com