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文大統領の「短道ミサイル」失言、対北融和より現実を直視すべきだ

文大統領の「短道ミサイル」失言、対北融和より現実を直視すべきだ

Posted May. 22, 2019 07:57,   

Updated May. 22, 2019 07:57

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日、韓米軍の指揮官を大統領府に招待した席で、「韓米の緊密な協力は最近の北朝鮮の『短道』ミサイルを含む飛翔体の発射への対応でも光を放った」と述べた。そして、「両国が冷静に節制された同じ声を出すことで、北朝鮮が追加挑発をしない限り、対話のモメンタムを維持していくことができるようになった」と強調した。ロバート・エイブラムス韓米連合司令官ら在韓米軍の首脳部に会っても、何としても北朝鮮との対話を修復しなければならないという考えを明確に示したのだ。

文大統領は、堅固な韓米同盟と強固な連合防衛態勢こそ、韓半島の平和プロセスの道を歩む土台だと強調した。そのような脈絡で、4日と9日の北朝鮮のミサイル挑発に対する韓米軍当局の抑制的な対応も、韓半島情勢の悪化を阻止し、対話修復に役立つと高く評価したのだ。

しかし、そのような「冷静で節制された同じ言葉」という対応が、北朝鮮挑発の実体を見逃したり黙認しようとする過度な慎重さ、ひいては低姿勢に映るのはなぜなのか。韓国の政府と軍は、北朝鮮の最初のミサイル挑発から半月以上、その実体をめぐって「精密分析中」とだけ繰り返している。米政府と在韓米軍ですら「弾道ミサイル」という結論を下したにもかかわらずだ。

21日の文大統領の発言中、「弾道ミサイル」と理解しかねない「短道ミサイル」という表現が出てきたことをめぐって、単なるハプニングと見過ごすことができないのもこのためだ。大統領府は文大統領が、「短距離ミサイル」を言い間違えたと訂正した。しかし、このようなハプニングの根底には、明白な国連制裁違反である北朝鮮の弾道ミサイル発射という現実を否定しなければならない状況がある。

 

2月28日のハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わった後、韓半島情勢はいつ壊れるか分からない微妙な平和、約束のない対話待機状態にある。米朝が対話局面に移った前提だった北朝鮮の核・ミサイル挑発と韓米の合同軍事演習の同時中止は、再び脅威を受けている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「年末までに米国が勇断を下さなければならない」と発言したが、挑発を強めていく場合、韓半島情勢は一昨年末の対決局面に戻るかも知れない。

当面の情勢を管理するために慎重さもいいが、重要なのは現実を直視することだ。迫る未来の「新韓半島体制」構想も実現していかなければならないが、迫り得る危機にも備えなければならない。特に、韓国の安保の根幹である在韓米軍との軍事的協力が韓米同盟の次元でしっかり作動しているのか綿密に点検しなければならない。