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1月は2つの顔のヤヌス

Posted January. 04, 2020 08:59,   

Updated January. 04, 2020 08:59

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2020年の新年は明けたが、今年1月には12月と旧正月が共にあり、一年を終えて再び新年を迎えることができる月でもある。陰暦を取り上げなくても、1月は新しい年を見つめると共に、昨年を振り返る二重の視線を持つ月なので、今からでも過去を復棋し、希望に満ちた新年を設計しても遅くない。1月を意味する「ジャニュアリー(January)」は「ヤヌスの月」を意味するヤヌアリウス(Januarius)に由来するが、ヤヌスは前と後ろを同時に見ることができる2つの顔を持つ古代ローマの神だ。1月は新年に入る月であり、昨年から出る月といったように、元来ヤヌスは出入りする門の守護神だ。

 

過去と未来を同時に見るヤヌスの目を持ったとしても、時間は前だけ進み、後ろに逆進しないため、過去の過ちはやり直せない。現代物理学では、動く速度によって時間が変わり(特殊相対性理論)、重力が大きいところでは時間がゆっくり流れるが、(一般相対性理論の)時間を戻すことができるとは見ない。スティーブン・ホーキング博士は、ブラックホールのような途方もない重力によって宇宙が曲がってできた「ワームホール」という視空間の扉を通って時間旅行が可能かもしれないが、過去の事件に影響を与えることができない状態だけ可能だと自身の遺稿集で主張した。絶対時間の存在を認めない現代物理学でも、過去は後戻りできないものと見たのだ。

昨年末「ネイチャー」は、地球の運命が取り返しがつかないティッピングポイント(均衡がこわれる地点)に至ったという科学者の警告を掲載した。ティッピングポイントとは、これ以上以前の状態に回復できない悪化状態を意味するが、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、地球の平均気温が産業革命前より1.5度以上上昇する場合、ティッピングポイントと見ている。オックスフォード辞典は昨年、2019年の単語に「気候ストライキ」と「気候異常」を選定した。気候変動の被害を最も大きく受ける青少年の気候ストライキを主導したスウェーデンの16歳少女、グレタ・トゥーンベリさんは、まるで気候変動をすでに経験し、その被害を教えるために未来から駆けつけた予言者のような切実さで今の世代を叱責した。ネイチャーに変動ティッピングポイント執筆を主導した英エクセター大学のティム・レントン教授は、「気候ストライキを主導した青少年が正しかった。もはや気候システムには元に戻せない変化が起きつつある」とし、地球が「非常事態」に置かれていることを強調した。

 

ハリーポッターの魔法の世界では時間を行き来する。ハリーポッターの友人のハーマイオニーは、彼女の砂時計を調整して、過去と未来の望む時を行き来する。ハーマイオニーが未来から2020年を振り返ったとすれば、今に戻って何の話を伝えるだろうか。トゥーンベリさんはもしかしてハーマイオニーではないかと思う。過去と未来を見つめる2つの顔のヤヌスは、どんな表情だろうか。未来に向かった顔が、暗い表情から明るくなることを願う