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抗がん剤が高額なため駆虫剤を求めるがん患者

抗がん剤が高額なため駆虫剤を求めるがん患者

Posted December. 26, 2019 08:16,   

Updated December. 26, 2019 08:16

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ソウルで大腸肛門科病院を経営する医師のイ氏は最近、知人を通じて人用の駆虫剤「アルベンダゾール」を数十缶購入した。イ氏に診察を受ける大腸がん末期患者の要請のためだった。患者は、犬の駆虫剤「フェンベンダゾール」が坑がん効果があるという話を聞いて購入しようとしたが、品薄で購入できず、同様の成分である人用の駆虫剤に目を付けたという。これも薬局で品切れのことが多く、わらをもつかむ思いで医師に頼んだのだ。

がん患者の間で、犬の駆虫剤が坑がん効果があるという風説がユーチューブを通じて広まり、最近では人用の駆虫剤を求めるがん患者が増えている。1、2粒で1千ウォンほどと価格が安いうえ、人が飲んでも安全と認証を受けた医薬品だからだ。

マザーズ制約で販売する「アルキル錠」は今年11月の売り上げが前年同期比255%増え、現在一時品切れの状態だ。ユハン洋行の「ゼンテル」も先月末、品切れになり、26日に再入庫される。ユハン洋行関係者は、「品切れになる薬品ではないが、先月瞬間的に多く売れた」と説明した。

保健当局は、アルベンダゾールも坑がん効果が証明されていないと警告する。新薬処関係者は「アルベンダゾールもフェンベンダゾールのように抗がん剤として有効性や安全性が立証されていない」と話した。ソウル峨山(アサン)病院腫瘍内科のイ・デホ教授は、「アルベンダゾールを長く摂取すれば、肝毒性や骨髄毒性のような副作用が生じる恐れがある」とし、「市中にはすでに良い効果が検証された抗がん剤がある」と強調した。

しかし、がん患者は「駆虫剤に命をかけるのはそれだけせっぱつまっているからだ」と訴える。既存の抗がん剤より効果が良い新薬は高価なので、負担が大きいということだ。韓国腎臓がん患友会のペク・ジンヨン代表は、「新薬である免疫抗がん剤は薬の価格が月1千万ウォン以上で、がん保険をかけていない患者は使うことが難しい」とし、「患者の本人負担率を上げてでも、免疫抗がん剤の給与化が至急だ」と話した。


ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com