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台湾の蔡英文総統、香港デモのおかげで再選固めるか

台湾の蔡英文総統、香港デモのおかげで再選固めるか

Posted December. 10, 2019 08:37,   

Updated December. 10, 2019 08:37

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「今後4年の総統は、国家と主権を保護しなければならない。全世界が台湾人がどのような選択をするか、国家、民主、自由、主権を守護する決心があるのか見ている」

来年1月11日の台湾の大統領選挙で再選に挑戦する反中国の与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文総統が7日、台南での遊説でこのように述べた。自分を選んでこそ、中国の脅威に対処できるという論理だった。

一方、親中国の野党国民党の大統領候補、韓国瑜・高雄市長は8日、新北市での遊説で、蔡政権が中国と対立し、経済と安全保障が不安になっていると批判した。韓氏は、「3年半前の中華民国は雄壮な鷲だった。しかし、現在、民進党に踏みにじられ、全く飛べずにいる。来年、この鷲が再び飛び回るだろう」と述べた。

中国と台湾の関係を意味する両岸関係と台湾をめぐる米中対立の未来を分ける台湾選挙が1ヵ月先に迫り、現地の熱気が高まっている。台湾中央選挙管理委員会は9日、候補者が参加した中、大統領候補番号を抽選で決めた。韓氏が2番、蔡氏が3番を選んだ。中道右派で一けたの支持率の親民党の宋楚瑜候補が1番だった。

今のところは、主権の守護者を自任する蔡氏が、各種世論調査で中国との関係改善を掲げた韓氏を大きくリードしている。台湾放送局TVBSの3日の世論調査の結果、蔡氏が46%、韓氏が31%の支持率を記録した。2日、台湾の蘋果日報の世論調査での支持率は、蔡氏が51%、韓氏が19%で差を見せた。

昨年11月の地方選挙では民進党が惨敗し、蔡氏の責任論が起こった。当時、爆発的な人気で高雄市長に当選した韓氏は、今年上半期までは世論調査で蔡氏をリードしていた。専門家たちは6月9日から続く香港の反中国・反政府デモと中国の強硬対応が逆説的に中国に対抗する蔡氏に逆転の機会を与えたと指摘した。今年1月、中国の習近平国家主席は一国二制度で台湾を統一するとし、必要なら武力使用も排除しないと明らかにした。中国は、台湾が中国の一部という「一つの中国」を強調してきた。しかし、中国が台湾統一に向けて模範に掲げた一国二制度の香港で起きた事態は、台湾人に一国二制度に対する拒否感と中国脅威論に対する恐怖心を抱かせた。

民進党は、台湾人のこのような恐怖を活用した選挙キャンペーンを攻勢的に展開し、「韓氏が大統領選で勝利すれば、中国に主権を奪われる」と主張した。民進党関係者は東亜(トンア)日報に、「両岸問題は民主主義、国家安全保障と直接関係する。平和を破壊するのは台湾ではなく中国」と指摘した。香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストは、台湾発の記事で「北京が逆説的に蔡氏が支持を回復する弾薬を渡した」と指摘した。

総統選挙では蔡氏が優勢だが、総統選挙とともに行われる立法会議員選挙は、政党支持率でリードする国民党に有利だという分析も出ている。


尹完準 zeitung@donga.com