Go to contents

12月、クララとともに王子を待つ

Posted December. 03, 2019 07:38,   

Updated December. 03, 2019 07:45

한국어

12月はチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」(1892年)の季節。チャイコフスキー特有の旋律美と卓越した管弦楽法で目よりも耳が先に満足させられる。「白鳥の湖」が凄然で「眠れる森の美女」が華やかなら、クリスマスイブが背景の「くるみ割り人形」は可憐さと壮厳さを共に備えている。このバレエの音楽的ハイライトを見てみよう。

●序曲:弦楽でベースを担当するチェロが外されている。「小さくてませた感じ」を出すためのアイディアだ。

●冬の松の森を通り過ぎる旅行:王子が主人公のクララを自分の王国に連れていく。静かな主題で始まり、チャイコフスキーの交響曲を連想させる壮麗なクライマックスが圧倒的な感じを与える。

●雪のワルツ:群舞で雪が舞う様子を描写する場面。バレエの音楽では例外的に子ども(または女性)の合唱を登場させた。合唱とハープ、鉄琴が合う部分は今日の映画音楽よりも玲瓏としてる。

●トレパック:ロシアダンスと言えば思い浮かぶ、腕組みをして座って踊る動作がある楽しいダンス曲。

●葦笛の踊り:題名に葦が含まれているが、木管楽器の中でもオーボエやクラリネット、バスーンとは違って唯一「リード」のないフルートが旋律を演奏する。

●花のワルツ:前曲のハイライトを成す部分。中間にチェロが突然新しい旋律を歌って退くが、オペラの男性主人公が熱烈な求愛の歌を歌うような感じを与える。

●パ・ド・ドゥ・アダージオ:開始部分のハープが分散和音でI-vi-ii-Vの和音を演奏する。歌謡「叶わぬ愛」、ピアノ「Heart and Soul」など大衆音楽でも簡単に出会える親近感のあるコードだ。

●こんぺい糖の精の踊り:チャイコフスキーはパリで澄んだ音を出す新しい楽器「チェレスタ」を発見し、これをこのバレエで初めて披露するために楽譜の出版社や公演関係者に「緘口令」を下した。

「くるみ割り人形」はなぜ短いのか:チャイコフスキーはこの曲を短いオペラ「イオランタ」と共に公演するための作品として構想した。初演後に「くるみ割り人形」だけ単独で公演することになった。

●実際の管弦楽出演は?:韓国では、バレエは事前録音(MR)の伴奏で公演されることが多い。実際、管弦楽の演奏がある公演では、国立バレエ団(芸術監督カン・スジン)とコリアンシンフォニーオーケストラが共にする「くるみ割り人形」が代表的だ。今年は12~25日、ソウル芸術の殿堂オペラ劇場で公演される。5000~9万ウォン。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com