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鄭義宣の現代自動車、日本が掌握した東南アジア市場への攻略を開始

鄭義宣の現代自動車、日本が掌握した東南アジア市場への攻略を開始

Posted November. 27, 2019 08:47,   

Updated November. 27, 2019 08:47

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現代(ヒョンデ)自動車が約1兆8000億ウォンを投資して、インドネシアに年間25万台を生産できる自動車工場を建設する。中国で販売不振が続く中、日本が掌握した東南アジア市場を次世代戦略拠点に据えて突破口を作るという切り札だ。

昨年9月からグループ経営を統括している鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自グループ首席副会長が、グローバル生産拠点で空いていた最後のパズルを合わせたという評価も出ている。インドネシア工場が完成すれば、現代自は起亜(キア)自動車と全世界で年間957万台を生産できる能力を備えることになる。

現代自は26日、現代自の蔚山(ウルサン)工場でジョコ・ウィドド・インドネシア大統領と鄭首席副会長などが出席した中、インドネシア政府と現地工場の建設のための投資協約を交わしたと発表した。2030年までに約15億5000万ドル(約1兆8000億ウォン)を投資して、インドネシアの首都ジャカルタから東側に約40キロ離れたブカシ市デルタマス工業団地に自動車工場を建設する計画だ。来月に着工して、2021年末までに年間15万台を生産する工場を稼働し、今後25万台規模に拡大する予定だ。

2億7000万人にのぼる人口を保有しているインドネシアでは、昨年約115万台の車が販売された。経済も年5%のレベルで着実に成長して安定している。インドネシアを含めて、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピンなど東南アジアに位置するASEAN10カ国の自動車市場は、2017年の約316万台から、2026年は約450万台に達すると予想される。

ASEAN地域は、国ごとに5〜80%に達する自動車関税障壁や様々な非関税障壁で、現地生産拠点なしでは攻略が難しい市場に分類されてきた。現代自は2017年、ASEAN市場攻略のための専門組織を新設後、3年にわたる市場調査を経て、今回投資を決定した。世界的に自動車販売が低成長基調に入った状況で、ASEAN新市場を開拓しなければ、未来の持続的な成長エンジンは確保できないと判断したのだ。

現代自は、インドネシア工場を活用すれば、ASEAN市場への進出も可能となる。ASEAN自由貿易協定(ATFA)により、部品現地化の割合が40%以上であれば、ASEAN地域の中で自動車を輸出する際に無関税恩恵が与えられるからだ。現代自は、インドネシアの工場で生産される自動車をASEAN地域はもとより、豪州と中東にまで輸出する案も検討している。

ただ、日系ブランドがインドネシア市場の98%を占めていることは負担となっている。現代自の関係者は、「日本の壁が高く牽制も多いが、価格と品質という現代自の利点を活かして市場を攻略する計画だ」と語った。現代自は小型スポーツ多目的車(SUV)と小型多目的車(MPV)をASEAN戦略モデルとして投入する計画だ。

自動車業界は、今回の決定を中国市場の不振を突破しようとする鄭首席副会長の勝負手という面に注目している。現代・起亜自は、2016年に中国で179万台を超える車を販売したが、THAAD(高高度ミサイル防衛システム)事態が起きた2017年を機に販売台数が激減し、今年は100万台前後にとどまるとみられる。自動車業界の関係者は、「内需景気自体が低迷している中国市場は、短期的に大きな反発を期待するのが難しいので、現代自はASEAN市場攻略に乗り出さざるを得なかったとみられる」と語った。

専門家の間では、全世界に成功裏に生産拠点を構築した現代・起亜自動車が、グローバル主要市場の残りの「余白」を埋めたと見ている。キム・ジュンギュ韓国自動車産業協会理事は、「着実に成長するASEAN地域は、今後、グローバル自動車市場で20%ほどを占めると予測される」とし、「唯一生産拠点がなかった東南アジア地域で、日本ブランドとの対決を避けないという戦略的決定だ」と分析した。


金道炯 dodo@donga.com