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9・19合意を破った金正恩氏、西海で「砲を撃て」

9・19合意を破った金正恩氏、西海で「砲を撃て」

Posted November. 26, 2019 08:44,   

Updated November. 26, 2019 08:44

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韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議が開幕した25日、北朝鮮が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の指示で、西海(ソヘ・黄海)上の境界付近の島で海岸砲を試射したことを明らかにした。韓国国防部は、「西海の緩衝区域付近での海岸砲試射について遺憾に思う」とし、「(今回の試射は昨年に南北が締結した)9・19軍事合意を違反したもの」と強調した。昨年の平壌(ピョンヤン)南北首脳会談で合意した後、韓国政府が北朝鮮の挑発行為に対して9・19軍事合意違反だと批判したのは初めて。

北朝鮮の朝鮮中央通信は25日午前6時17分、正恩氏が黄海道(ファンヘド)南端の昌麟島(チャンリンド)軍部隊を視察したことを報じ、「(金委員長が)戦闘直日勤務をしている海岸砲中隊の2砲に目標を定め、一度射撃するよう指示した」とした。そして「軍人は、訓練して練磨してきた砲射撃術を余すことなくお見せし、大きな喜びを差し上げた」と報じた。軍当局は、北朝鮮が76ミリまたは122ミリの海岸砲を射撃したと見ている。正恩氏は、「戦いの準備がまさに愛国」、「いつでも戦闘任務遂行に動員できるよう準備しなければならない」など実戦態勢を強調した。

射撃がなされた昌麟島は、黄海道(ファンヘド)の南端、白翎島(ペクリョンド)南東に位置した境界付近の島で、西海の北方限界線(NLL)から10キロほどしか離れておらず、9・19軍事合意で設定された「海上緩衝区域」(敵対行為禁止区域)に含まれる。昨年9月の平壌南北首脳会談で合意した「9・19南北軍事合意」第1条2項には、南北の境界付近での「砲射撃および海上機動訓練を中止し、海岸砲と艦砲の砲口と砲身の蓋の設置および砲門の閉鎖措置を取る」と明示されている。北朝鮮が正恩氏の正確な視察の日時を明らかにしていないが、延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発9年となる日(11月23日)の2日後に報道したことから、23日前後と軍当局は見ている。

 

北朝鮮は、今回の挑発を文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任後に韓国で開かれる最大の国際行事である韓-ASEAN特別首脳会議の開幕日に公開して、米朝非核化協議を控えて国際社会の耳目を再び集めるとともに、韓国に圧力をかけようとしたとみられる。境界付近での追加挑発の可能性も排除できない。峨山(アサン)政策研究院のシン・ボンチョル安保統一センター長は、「北朝鮮の狙いは、非核化をめぐって米国の譲歩を取りつけることなので、韓国に対してさらなる圧力に出る可能性がある」と指摘した。


黃仁贊 hic@donga.com