Go to contents

体に合わない服、不動産仲介手数料

Posted November. 18, 2019 09:26,   

Updated November. 18, 2019 09:26

한국어

韓国だけの傳貰(チョンセ、一定額の保証金を支払い、毎月家賃を払って契約が終了すれば保証金を返してもらう)制度は、考えてみれば「芸術」と評するしかない。ひんぱんな場合は、2年ごとに家を変えなければならのに、どうしてあのようにぴったり私の暮らす町、私の自宅に数億ウォンの資金を調達できる人が、私は必要なその期間に合わせて現れるなんて…。とある家の取引が実現するためには、連続的に他の家の居住者も変わらなけれならないが、その過程で無理なく大金がやり取りできるからだ。

このような芸術を可能にする人々が、不動産仲介業者だ。お店だけを開いておけば、おのずと人々が駆けつけてきて、気楽に座って商売すると思っている人が多いが、そうではない。家が「きれい」かを確認し、借金があれば価格をどの線まで下げるのが適切なのか、家主を説得もするし、インターネット上に広告を掲載して集客をして、最終的的には取引について法的責任もある程度負う。ところが、最近仲介業者と消費者の間の争いが頻繁になっている。マンション価格がまた一ランク上がって、手数料率をめぐる争いだ。

「私の取引を成立させる84平方メートルのマンションのほとんどは9億ウォンを超えます。傳貰金は6億~6億5000万ウォン程度ですね。この町は江南(カンナム)でもないのにです。だから取引手数料率を巡って、仲介業者と消費者の間で毎回争いが起こります」。ソウル江西区麻谷洞(カンソグ・マゴクドン)で働く不動産仲介業者の言葉だ。争いは、売買取引が行われた後、数ヶ月にわたる長い「携帯メール戦争」になったり、時には法的争いにまでつながるという。

ソウル基準不動産の仲介手数料は、最高限度が売買時は0.9%、賃貸借取引時は0.8%だ。最高値の基準となる金額は、売買価格が9億ウォン、賃貸が6億ウォンで、この基準が作られたのが2014年だ。その前は、売買は6億ウォン、賃貸は3億ウォンを超えるとき、最高手数料率をつける方式が15年間維持された。

ソウルのマンション価格は、近年階段式に上がっている。不動産価格を抑えるための超強力な政策が出てきたら、しばらく停滞するが、しばらくしてその空白を埋めるかのように急上昇した。だから2014年は高価住宅だった9億ウォンが、もはや高価でなくなった。昨年の9・13対策発表時は、9億ウォン以上のマンションは、ソウル全体マンションの26%を超えた。今年第3四半期に行われた6億ウォン以上の傳貰の割合も16%ほどだった。売買は個人が生涯数回しかないから、よく協議するばすむことだとしても、住宅価格に応じて高騰した高価の傳貰を頻繁に取引しなければならない消費者にとって、現実に合わない手数料率は大きな負担となる。

「住宅価格の状況が数年間こんなに変わったので、政府が調整するのが理にかなっていると思います。当事者同士で解決するように放っておけば、一銭でも多く受け取ろうとする仲介業者と、少なく払おうとする消費者が戦うしかありません」

すべての仲介業者が、このように合理的には思わないだろう。2014年の手数料調整時も、仲介業者団体の大きな抵抗があった。しかし、消費者と利益団体の間に合理的基準を立てて調整するのが、政府がすべきことの一つだ。

そういえば、規模が変わって合理的な調整が必要なことは、不動産取引だけではない。特定経済犯罪加重処罰などに関する法律が横領・背任などの加重処罰条件として最も深刻に見る基準が、利益が50億ウォン以上だ。この基準は、1983年に制定後、36年間変わらなかった。横領・背任は基準が曖昧て、「鼻にかける鼻輪(ものの見方によってどうでも取れるという意)」のようにかかりやすい。また、1980年代と違って、今は大企業が年間数十兆ウォンを投資する時代だ。

探してみれば、このように「体に合わない服」を着た経済状況がさらに多いだろう。こういう時、体ではなく、服を変えるべきではないだろうか。


ハ・イムスク記者 artemes@donga.com