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企財部、景気診断から「不振」の表現を8ヶ月ぶりに外す

企財部、景気診断から「不振」の表現を8ヶ月ぶりに外す

Posted November. 16, 2019 09:00,   

Updated November. 16, 2019 09:00

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政府が毎月発表する景気診断で、8ヶ月ぶりに「不振」という表現を外した。これまで「不振している」という評価は、輸出と投資に限られた表現だったが、ややもすれば、経済全体が不振しているという誤解を招きかねないという理由からだ。大統領府の政策成果のPR励ましを意識したのではないかという指摘が出ている。

企画財政部(企財部)は15日発刊した「最近の経済動向」(グリーンブック)の11月号で、第3四半期(7〜9月)の「韓国経済は、生産と消費増加を維持しているが、輸出と建設投資の減少が続いて成長を制約している」と診断した。1ヶ月前に「輸出と投資の不振の流れが続いている」とされていたのと似たような評価を下しながらも、「不振」という表現は削除した。グリーンブックで「不振」という表現が登場した期間は、今年4月から10月までの7ヶ月間で、2005年にグリーンブックを初めて発刊して以来最も長かった。

洪珉奭(ホン・ミンソク)企財部経済分析課長は、「景気が底を打ったとか、これまでの景気認識に変化が生じたのではなく、輸出と投資に関する特定表現を経済全般に対する不振と誤解する余地があるので、より正確な用語に変えた」と説明した。対外的にグローバル貿易と製造業景気の萎縮など、世界経済が共に減速している中、日本の輸出規制、米中貿易紛争、グローバル半導体業況の回復時期などの不確実性が常に存在するという判断だ。

グリーンブックによると、9月の鉱工業生産とサービス業の生産は、それぞれ0.4%と1.0%伸びて増加傾向が続いた。雇用は、10月の就業者が41万9000人が増えるなど、回復傾向を見せていると評価した。

一方、輸出(10月基準)は、グローバル貿易萎縮、半導体業況不振の余波で前年同月比14.7%減少して、3年9カ月ぶりに最も大幅に減少した。輸出減少は11ヶ間続いた。建設投資(9月)も昨年より7.4%減り、設備投資も減少幅(マイナス1.6%)が減ったものの、それでもマイナスだった。

景気認識に大きな変化がないのに、政府が「不振」という表現を外したことをめぐり、一部では、前日文在寅(ムン・ジェイン)大統領が洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企財部長官に、「韓国経済を巡るリーダーシップを引き続き示してほしい」と指示したことが影響を及ぼしたという見方も出ている。企財部が今回のグリーンブック印刷版の総合評価に出た「半導体業況不振」という表現を、「半導体単価下落」に急いで変えるために一つ一つテープを貼って直したことも、このような観測が説得力を得ている。結果的に今回のグリーンブックには、国際穀物価格や米国など他の国の経済状況のほか、不振という言葉が登場しない。企財部の関係者は、「表現の変更は.、数日前に決まったもので、大統領府とは関係がない」と主張した。


周愛眞 jaj@donga.com