Go to contents

ローマ軍の兜

Posted November. 12, 2019 09:09,   

Updated November. 12, 2019 09:09

한국어

踏査をたくさん行ってきたが、土産にはほとんど気を使わなかった。ただ磁気(マグネチック)だけを熱心に集めたが、年を取ると、一つくらいは用意しなければならないのかという未練がある。ギリシャで探してみると、やはり一番気に入ったものは中将歩兵だ。中将歩兵の装備の中から一つを選べと言われたら、やはり兜、その中でも一番古色蒼然なコリント式兜だ。

ローマ重装歩兵の兜と比較すると、機能的にも華やかさにおいてもローマ軍の兜が完全に一枚上だ。ローマ軍は鋼鉄兜だったのに対し、ギリシャの兜は青銅なのではるかに重い。コリント式兜をかぶれば、側面の視野が覆われ、音も聞こえない。前だけ見て戦わなければならず、頭を回すこともなかなかできない。韓国民族とは全く関係のないことだが、頭の大きい私たちの体型とは合わず、おそらく正しく被ることも難しいだろう。

重装歩兵の保護装備としては、兜、盾、胸元隠し、すね隠しがある。このうち、兜は制作も難しく、サイズに比べて価格も高い。盾で上半身全体をかざせば、さらされる部位は頭だった。敵を攻撃し、守るためにも、頭を盾上に露出させなければならないので、頭は攻撃を受けやすく、危険だった。だから兜が何よりも重要だったのだ。

コリント式兜は丈夫だったが、視野が狭く、まったく戦闘の状況を見ることができないという致命的な欠点があった。だから、ギリシャ中将歩兵は、兵士が一つの盾で横の仲間と半分ずつ保護しながら、互いにくっついて戦わせたが、戦闘状況で柔軟性が大幅に低下した。ギリシャ軍の戦闘を見ると、少し空しいことも多く、勝利しても戦果をあまり拡大できない場合がしばしばある。これには、騎兵が弱いなど、さまざまな理由があるが、狭い視野も重要な原因だった。後に兜を改良したが、ギリシャの伝統重装歩兵とアレクサンドロスの軍隊、ローマ軍の差が、柔軟性と適応力だ。状況の変化を無視して、前だけを見て戦う軍隊は勝利できない。