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反民主的な「取材封鎖」訓令、直ちに廃止し謝罪すべきだ

反民主的な「取材封鎖」訓令、直ちに廃止し謝罪すべきだ

Posted November. 01, 2019 09:03,   

Updated November. 01, 2019 09:03

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法務部が30日に公開した「刑事事件公開禁止などに関する規定」は、果たして2019年の民主主義体制から出たものか疑われるほど時代錯誤的で反民主的だ。規定は、検察が捜査中の事件の取材を基本的に妨げ、事件関連者の名誉を傷つける誤報を出した記者の検察庁舎の出入りを制限することが骨子だ。政府が誤報の有無を判定してメディアの取材を阻止するという発想は、過去の独裁政権でも類例のない内容だ。

規定によると、検察は捜査中の事件については誤報対応以外のことは公表できず、検事と捜査官は記者など報道機関関係者と一切接触できない。記者は、検察が伝える内容だけ書けという意味に相違ない。規定どおりなら、メディアの監視機能は麻痺せざるを得ない。検察が閉ざされた検察庁舎内で「生きた権力」の不正に目をつぶり偏向的な捜査をしても牽制する道が消える。

検察の捜査担当者が恣意的に誤報の有無を判定し、これを根拠に記者の取材を防げるという規定も明白な毒素条項だ。基準が曖昧な誤報の判断を検察が担うことになれば、検察に不利な記事には誤報という烙印を押してメディアの取材を阻止しようとしかねない。この規定が真実を解明しようとする権力者や特定政派によって悪用される可能性も排除できない。また、検察が発表する捜査結果がその後の裁判で事実ではないと明らかになる場合も少なくないが、すべてのメディアが取材が封鎖された状態で一方的な発表にだけ依存して記事を書き、後に誤報と判明した場合、その責任は誰が負うのか。

憲法が規定したメディアの自由と国民の知る権利に対する一定の制限が必要なら、それは法務部の訓令ではなく国会が制定した法律によって制限するのが正しい。法務部の規定は国民との意思疎通を強調してきた現政権の基調からも外れる。法律家が主軸の法務部がこのような規定を作ることは、他の政府省庁や機関に影響を及ぼしかねないという点でも大いに懸念される。

このように過激で硬直した取材封鎖訓令が突然出たのは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月16日、金オ洙(キム・オス)法務部次官を大統領府に呼んで検察改革案の作成を指示し、その期限を10月末としたことが影響したとみえる。文大統領は法務部の規定を直ちに廃止し、国民に謝罪しなければならない。