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英国で12月に総選挙…EU離脱、国民に判断仰ぐ

英国で12月に総選挙…EU離脱、国民に判断仰ぐ

Posted October. 31, 2019 08:37,   

Updated October. 31, 2019 08:37

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英国で96年ぶりに「12月早期総選挙」が実施される。与党と野党のどちらが過半数の議席を確保するかによって、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の行方が変わるものとみられる。

英BBCなどによると、下院は29日、「12月12日早期総選挙開催」を骨子とした短縮法案を採決し、賛成438票、反対20票で可決した。これに先立ち、ジョンソン首相は今月28日までに3回にわたって早期総選挙案を下院に上程したが、野党の反対ですべて否決された。しかし、EUが28日に英国のEU離脱の期限を来年1月31日に延期することを決め、英国が何の条件もなく離脱する「合意なき離脱」の危険が消えると、最大野党の労働党をはじめ野党が早期総選挙「同意」に基調を変えた。

早期総選挙案は上院の承認を経て、来月2、3日頃、エリザベス女王の裁可を受けて発効される。議会は来月6日に解散し、12月12日の総選挙に向けて5週間、選挙運動が繰り広げられる。クリスマスシーズンの12月の総選挙は1923年以来。総選挙は2022年に予定されていた。

早期総選挙を準備する与党と野党の計算は異なる。ジョンソン氏と政権保守党は、下院の過半数を確保してEU離脱合意案批准を迅速に終えたい。現在、650議席の下院議席のうち保守党の議席は288議席と過半数に及ばない。EU離脱推進が議会で何度も挫折した理由だ。ジョンソン氏は、「EU離脱を実現するために議会を再び(保守党で)満たさなければならない」と強調した。

野党の労働党と自由民主党は、早期総選挙を通じてEU離脱施行そのものを見直す方針だ。労働党は関税同盟の維持を、自由民主党はEU残留を党論に掲げた。野党が過半数を占めれば、第2のEU離脱国民投票も施行できる。自由民主党のスウィンソン党首は同日、「EU離脱を中止する政権をつくることができる機会」と話した。

どの党が過半数を確保するかによって、EU離脱の運命が決まるため、今回の総選挙は事実上「EU離脱を問う総選挙」だと英紙ガーディアンなどは伝えた。現在のところ、政権与党が有利だ。BBCが25日に報じた政党支持率調査で、保守党(36%)が労働党(24%)、自由民主党(18%)、ブレグジット党(11%)をリードしている。

ただし安心するのはまだ早い。2017年の総選挙でも、保守党は労働党より支持率が20ポイント高かったが、過半数に満たない318議席にとどまった。また、クリスマスを控えて投票率が先の総選挙(68.7%)より低くなる可能性が高いことも変数だ。

与野党いずれも早期選挙で過半数議席を確保できなければ、現在のような膠着状態が続く可能性がある。この場合、合意なきEU離脱の憂慮が来年1月に再燃しかねない。一方、英シンクタンクの国立経済社会研究所(NIESR)は、英国がEUと合意した新たなEU離脱案を履行すれば、2029年までに毎年700億ポンド(約105兆ウォン)の損失が発生し、10年間の国内総生産(GDP)成長率も3.5%低くなると分析した。英国とEUはこれに先立ち、英国領北アイルランドが法的には英国の関税体系の適用を受けるものの、実質的にEUの関税および単一市場に残ることで合意した。


金潤鍾 zozo@donga.com