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米国人の独立活動家ハルバート、「韓国人は世界で最も優れた民族」

米国人の独立活動家ハルバート、「韓国人は世界で最も優れた民族」

Posted October. 29, 2019 09:12,   

Updated October. 29, 2019 09:12

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死を覚悟した道だった。1909年8月30日、ホーマー・ハルバート博士(1863~1949)は汽車に乗って鴨緑江(アプロクカン)を渡った。懐にベルリンで買った護身用のリボルバー銃があったが、それでも不安な気持ちは静まらなかった。米国の妻には、自分に何かあったら財産の整理と子どもたちの養育を頼む遺書も残した。「ソウルに行って残した家財道具や本も整理しなければならない・・・」。何よりも博士はソウルが懐かしかった。

日本は博士を2年前の「ハーグ特使」事件の主謀者と見ていた。博士は高宗(コジョン)の密命を受けて特使証と各国の元帥に送る皇帝の親書を持って韓国を出発した。当時、博士の行動は、ソウルの統監府、日本外務省などの集中監視対象だった。米国に行って日本の侵略を伝える世論戦を展開した。スティーブンス狙撃事件で反韓世論が強い中、博士はニューヨーク・タイムズなどを通じて一人、韓国を擁護した。皇后を殺害し、皇帝を廃位させたのは日本だった。博士が米国人だとしても、韓国に戻れば身の安全は確信できなかった。博士の韓国入国後、ニューヨーク・タイムズは、「博士が暗殺の標的になった」という伝言を報じた。

新刊『ハルバートの夢 朝鮮はよみがえる!』(キム・ドンジン著・チャムチョウンチング)を通じてのぞいた博士の人生の一場面だ。著者が『青い目の韓国魂 ハルバート』(2010年)から10年近く資料を追跡して補完した博士の人生が詳細に盛り込まれた。遺書も博士の孫娘から入手した。

「韓国人は世界で最も優れた民族の一つだ(Koreans are among the world's most remarkable people)」

著者が見つけた、1949年7月に米紙「スプリング・フィールド・ユニオン」に掲載されたハルバート博士のインタビューだ。貧しい小さな新生独立国の国民を評価する表現だったが、「当惑する発言」と受け止められたかも知れない。しかし博士は確信した。「韓国人は最も完璧な文字であるハングルを発明し、文禄慶長の役の時、亀甲船で日本軍を撃破して世界の海軍史を輝かせ、(朝鮮王朝実録のように)徹底した記録文化を持っている」と例を挙げた。何よりも「3・1運動で見せた韓民族の忠誠心(fealty)と非暴力万歳抗争は、世界史で最も美しい愛国心の手本となった」と強調した。

博士が1905年に高宗の特使として米国に派遣され、第二次韓日協約の無効を主張する当時の高宗と博士が電報をやりとりしたと報じたニューヨーク・タイムズの1905年12月付の記事も発見した。高宗は、「私、大韓帝国皇帝は・・・協約が無効であることを宣言します。・・・最上の方策として米国とこの条約の終結を引き出すことを願います。・・・」という電報を博士に送った。著者は、「皇帝が協約は無効だと宣言した実際の証拠がこの電報だ」と強調した。

夫人のメイ・ハルバートさんが日本の侵略を告発したインタビュー記事も本で公開された。夫人は、ニューヨーク・トリビューンの1910年5月の記事で、「韓国の上流層は日本の上流層に屈辱を受け、韓国の労働者は日本の労働者に殴られ、苦しい日々を送っている」と証言した。

『ハルバートの夢 朝鮮はよみがえる!』には、命をかけて韓国を愛した博士の人生が描かれている。独立活動家であり外交官、ハングル専用の先駆者、韓国語学者、歴史学者、ジャーナリスト、民権運動家など博士の多彩な面が寄稿文や手紙、著書、回顧録を通じてスポットライトをあてられた。同書で、博士が出版した最初のハングル教科書『士民必知』の出版時期が1891年1月だと確認された。


趙鍾燁 jjj@donga.com