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「 見るだけでも気分が悪くなる」 金正恩氏が先代・金正日の金剛山観光事業を非難

「 見るだけでも気分が悪くなる」 金正恩氏が先代・金正日の金剛山観光事業を非難

Posted October. 24, 2019 08:26,   

Updated October. 24, 2019 08:26

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が23日、金剛山(クムガンサン)観光地区を視察し、「見るだけでも気分が悪くなるみずぼらしい南側の施設をすべて撤去せよ」と指示した。また、「(韓国に)簡単に観光地を提供して利益を得ようとした先任者の依存政策は非常に誤っていた」とし、北朝鮮式で金剛山地区を再建設する意向を明らかにした。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日の国会施政演説で南北間の「平和経済」を強調した翌日に正恩氏が南北関係の象徴といえる金剛山観光施設を撤去するよう指示し、南北間の溝が浮き彫りになった。

北朝鮮の労働新聞は同日、正恩氏が「金剛山がまるで北と南の共有物のように、北南関係の象徴、縮図のようにされており、北南関係が発展しなければ金剛山観光もできないとされているが、これは明確に誤ったことであり、間違った認識だ」と明らかにしたと伝えた。正恩氏はさらに、「土地がもったいない」とし、「国力が弱い時に依存しようとした先任者たちの政策が間違っていた」と指摘した。

正恩氏が「先任者」と言及して故・金正日(キム・ジョンイル)総書記が南北経済協力事業に決定した金剛山観光を批判したのは非常に異例。昨年9月に南北首脳が平壌(ピョンヤン)共同宣言で合意した金剛山観光および開城(ケソン)工業団地の再開が実現しなかったことに対する不満とみられる。

現地視察に4ヵ月間姿を見せなかった夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏とともに金与正(キム・ヨジョン)宣伝煽動部第1副部長と「米国通」の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官も同行した。北朝鮮に対する制裁解除や米朝非核化協議の進展がない場合、16日の白頭山(ペクトゥサン)登頂で明らかにした「自力更正」の基調で新しい道を模索するという対米メッセージとみえる。ただし正恩氏は、「南側と合意して」撤去するよう指示し、「世界水準の観光地にした後で、韓国の同胞たちがここを訪問するのは歓迎する」と述べ、今後の南北実務協議や民間交流の余地は残したという見方もある。

大統領府は23日、慎重な反応を示した。大統領府関係者は、「(北朝鮮が)いかなる立場なのか、今後の計画がどうなるのか明確に分析することが先だ」とし、「大統領府が出す立場はない」と明らかにした。同関係者は、「大統領の言葉に対して北朝鮮が反応したのかどうかは北朝鮮だけが知っている」と話した。

正恩氏の発言で、与党を中心に期待されていた正恩氏の11月の韓国答礼訪問も事実上、実現が難しいという見方が出ている。


シン・ナリ記者 パク・ヒョモク記者 journari@donga.com · tree624@donga.com