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FIFA会長、平壌の南北戦に「歴史的な試合に無観客…がっかり」

FIFA会長、平壌の南北戦に「歴史的な試合に無観客…がっかり」

Posted October. 17, 2019 09:09,   

Updated October. 17, 2019 09:09

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「歴史的な試合に観客が一人もいなかった。がっかりした」

15日、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)にある金日成(キムイルソン)競技場で行われた2022カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の韓国対北朝鮮の試合を見守った国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長が北朝鮮の対応に問題を提起した。FIFAが試合後にホームページを通じて公開したインタビュー映像の中でインファンティノ会長は、テレビの生中継もなく無観客で試合が行われたことに対し、大きな失望感をあらわにした。

インファンティノ会長は、「生中継がなくなった経緯や外国報道陣の接近を規制したことなどについて聞いて驚いた」とし、「言論の自由と表現の自由は最も明白で重要な価値だ」と強調した。その上で「サッカーが北朝鮮と世界各国に肯定的な影響を与えるよう引き続き努力したい」と話した。FIFAは、インファンティノ会長が南北のサッカー関係者たちと2023年女子W杯の南北共同開催についても意見を交換したことを明らかにした。しかし、国内外のスポーツ関係者たちは、「スポーツの国際ルールを無視して独断に走る北朝鮮との共催が可能か疑問だ」との反応を見せている。

外国メディアと観衆まで規制した理由について、北朝鮮が今回の試合を内外の対戦宣伝材料に利用していると解釈する声も出ている。相次いで国際大会を招致し「正常国家」であることをアピールすると同時に、スポーツ試合での勝利を体制宣伝に使おうとする思惑だという見方だ。東国(トングク)大学の高有煥(コ・ユファン)北朝鮮学科教授は、「北朝鮮は最近、ミサイル発射などを通じて、引き続き『強い国』のイメージをアピールしてきた」と言い、「スポーツ競技でも勝つところだけを内外に公開し、負ける可能性が高い試合は最後まで隠そうとしただろう」と話した。北朝鮮は20日に平壌で開催される重量挙げのアジアユース・ジュニア選手権には韓国の報道陣を招待した。北朝鮮は重量挙げでは世界的に競争力を持っている。

一方、ヨアヒム・・ベルクストレーム北朝鮮駐在スウエーデン大使が撮影してツイッターに公開した試合映像によると、北朝鮮選手のラフプレーが目立ち、タフな試合だったことを示している。映像によると、北朝鮮ベンチの前に選手たちが集まって「こら!こら!」と声を荒げながら応酬した。北朝鮮のパク・グァンリョンが韓国のキム・ムンファン(釜山)を手で押し出す場面も映っていた。ベンチから立ち上がった北朝鮮選手たちが揉み合いに加わるのを恐れた審判が選手たちを引き止める場面もあった。こうした中、韓国代表の主将、孫興民(ソン・フンミン=トッテナム・ホットスパー)は、北朝鮮選手たちの輪の中に入ってもみ合いを引き止めた。

試合終了後に両チームの選手たちによるユニフォームの交換はなかった。大韓サッカー協会の関係者は、「私たちが使っている米国スポーツブランド『ナイキ』のユニフォームと用品を北朝鮮に残して帰る場合、国連制裁違反になる恐れがあるため、ユニフォームの交換は禁止にした」と明らかにした。


鄭允喆 trigger@donga.com · 李沅柱 takeoff@donga.com