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平野啓一郎氏、「韓国大法院の判決文から読め」と嫌韓報道に忠告

平野啓一郎氏、「韓国大法院の判決文から読め」と嫌韓報道に忠告

Posted October. 12, 2019 08:22,   

Updated October. 12, 2019 08:22

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デビュー作『日蝕』で1999年に日本最高の文学賞、芥川賞を受賞した有名な小説家、平野啓一郎氏(44)が11日、朝日新聞とのインタビューで、日本人に「韓国大法院の強制徴用訴訟判決文から読んでみなさい。国家を越えて元徴用工個人の人間的不幸に注目しなければならない」と呼びかけた。

朝日新聞は、韓日関係の悪化にかかわらず協力と友好を図らなければならないという趣旨のインタビューシリーズの一人目として、平野氏に会った。平野氏は、「嫌韓」をあおるメディアに対して「腹が立つと同時にすごく傷つきました」とし、メディアが無責任に反感をあおっていると批判した。そして、「元徴用工問題の韓国大法院判決文も読まないような出演者にコメントさせてはいけない。みんなまず、あの判決文を読むべきですよ」とし、「判決文を読んでショックを受けないはずはありません」と述べた。

平野氏は、元徴用工の李春植(イ・チュンシク)さんのインタビューを呼んで共感したと明らかにした。そして、「一人の人間として被害者を考えることが重要だ。元徴用工が技術を習得できると期待して応募したら、危険度の高い労働環境に置かれ、賃金も支給されず、逃げ出したいと言ったら殴られた。悲惨ですよ」と指摘した。

平野氏は、「韓国人の友人が多いし、韓国には読者もいます」と述べた。特に、キム・ヨンスやウン・ヒギョンなどの韓国小説家の作品が登場人物を繊細に描写しており、日本の読者が共感できる部分が多いとも述べた。同じ時代を生き、両国が多くのことを共有しているということだ。そして、韓日関係の解決について、「小説は、韓国人、日本人、男性、女性のようなカテゴリーを主人公にしない。徴用工というカテゴリーではなく、一個人として注目したら共感できるはず」とし、「複雑さを認めて接点を探し、関係を構築していくことが重要だ」と付け加えた。

京都大学を卒業して1998年に小説『日蝕』でデビューした平野氏は登場と共に日本文壇のスターに浮上した。『マチネの終わりに』、『決壊』など20編あまりを出版し、韓国でも人気がある。昨年、在日同胞3世が主人公の小説『ある男』を出した。平野氏は、「学生時代に会った在日のことを考えた。彼らが今この時代をどのように生きているのか悩んで執筆した」と説明した。


東京=パク・ヒョンジュン特派員 lovesong@donga.com