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愛国主義に沸き立つ建国70年、中国内部でも責任の声

愛国主義に沸き立つ建国70年、中国内部でも責任の声

Posted October. 07, 2019 08:23,   

Updated October. 07, 2019 08:23

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中国建国70年記念軍事パレードが午前10時(現地時間)から北京中心の天安門付近で始まった1日。記者をはじめ外信記者は、軍事パレード開始5時間半前の午前4時半頃、1次セキュリティ検査を受けた後、北京西部のメディアセンターに集まった。まだ暗い未明、交通統制で空っぽの道路を走って午前6時頃に到着した天安門広場の前門。軍事パレード参観場所の天安門広場の前に向かうために2次セキュリティ検査を通過しなければならなかった。

人民日報や新華社通信など中国メディアの記者たちは、前日の先月30日午後11時、メディアセンターに集合した。彼らが天安門付近に到着した時間は1日午前1時50分頃だった。軍事パレードの参加兵士は、すでに天安門に通じる長安大路に集結した。一晩道路にいたが、表情は非常に明るかった。

軍事パレード開始前、現場で会った中国人も、込み上げる感情を隠すことができなかった。約3万人の観衆は、各地で選抜されて軍事パレード参観の機会を得て、未明から現場に到着した。天安門広場で「強い祖国の軍隊」を見ることは中国人の夢だった。

「いかなる勢力も私たちの偉大な祖国の地位を揺さぶることはできない」と宣言した習近平国家主席の演説に中国人は歓呼した。習氏が「70年前の中国建国から近代後の中国の長い貧しさと弱さ、虐げられた惨めな運命を徹底して変えた」と述べたことが意味深長だった。「強くなった祖国」に対する中国人の歓呼は、もはや米国だけでなく世界のいかなる国も中国に触れることはできないという自負心にみえた。その自負心は、時に外部世界に対する好戦的な言語となる。

今、中国全域は「人民の団結」が最も重要だという愛国主義で沸き立っている。国慶節連休(1~7日)に上映された愛国主義映画「私と私の祖国」などがヒットしている。「中華民族の偉大な復興」という民族主義が愛国主義を支える。愛国主義そのものは悪いことではない。しかし、「強大国が負わなければならない重い責任」も自覚しているのか、中国内部でも懸念の声が出ている。

北京大学国際関係学院の副院長を務めた王逸舟・北京大学教授は、インタビューで、「民族主義を誤って扱えば、ショービニスム(盲目的愛国主義)に変わる可能性がある」と警告した。「特に一国家が虐げられた歴史や主権紛争がある場合、民族主義は想像できない(方式で)他人を害する結果を生む恐れがある」と指摘した。「良い外交は、良い内政、良い社会の基礎がなければならない」と一喝した王氏が主張する「仁の社会」に進む条件には、「人民が開放的で、好戦的な感情のない社会」などが含まれている。

王氏は、他国が中国の「崛起」になぜ憂慮して脅威を感じるのか、中国が認識できていないことを心配した。中国の崛起が岐路に立たされたと主張する王氏は、「高い山の頂上に行けば行くほど風景は美しいが、高山病の症状がひどくなる」と述べた。今は過去の中国になかった問題、すなわち世界の中でより大きな責任と義務という問題に向き合っているのだが、愛国主義だけ過度に強調して目を隠すのでないか、振り返らねばならない。


尹完準 zeitung@donga.com