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嫌われることをためらわなければ

Posted September. 30, 2019 08:42,   

Updated September. 30, 2019 08:42

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「優しい女性は天国に行くが、悪い女性はどこにでも行くことができる」( ヘレン・ガーリー ブラウン元コスモポリタン編集長)

時間さえあれば、ノマド(nomad・さすらい)を自任しながらさまよう。特に「路地ツアー」は、その気さえあれば、いつでも可能な外出だ。徘徊しながら注意深く見るのは、あちこちにかかっている様々な文字だ。お店の名前はもちろん、表門の前に掲げておいた文字も通り過ぎない。文の持主の個性と品性が知らず知らずうちに現れるために、読む楽しさがかなりある。鍾路(チョンノ)通りをうろつけば、数十年の歴史を誇る教保(キョボ)文庫光化門文字板の名文までおまけに会うことができる。「準備に失敗すれば、失敗を準備することだ」という鍾路消防署の垂れ幕も印象的だ。

三清洞(サムチョンドン)はいつ歩いても、快適な路地が多いところだ。いつも通っていた道ではなく、向かいの路地を選んだ。美しい道に指定されたという噂のように、可愛らしい景色がいっぱいだ。上鉢を眺めて頭を上げると、白い色で遮られた店のドアの上に、ゴシック体のやや挑発的な文章が一瞬にして目をひきつける。「優しい女性は天国に行くが、悪い女性はどこにでも行くことができる」。ソーシャルネットワークサービス(SNS)に掲載したところ、あれこれコメントがつけられる。知人は、映画「テルマ&ルイーズ」の名セリフだという。誰かは、ジム・スタインマンの曲のタイトルだとも言った。たとえ元祖があると言っても、誰でも心の中の切なる共感によって、その文を引用したなら、それは実際は自分の声だ。

女性だけでなく、他人の期待に順応しようとする善良な人は、誰でも反復的な自己抑圧を招くのが落ちだ。たまには嫌われることを厭わなければ、人生選択の幅はさらに広がるだろう。突然百丈(720~814)先師の「自分の選択(因)による結果(果)であれば、何でも気にせず(不昧)」という因果不昧が、フラッシュのようにかすめていく。


キム・ソンギョン記者 tjdrud0306@donga.com