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捜査を受ける長官の「検事との対話ショー」、世論から傾聴せよ

捜査を受ける長官の「検事との対話ショー」、世論から傾聴せよ

Posted September. 21, 2019 09:07,   

Updated September. 21, 2019 09:07

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曹国(チョ・グク)法務部長官が20日、議政府(ウィジョンブ)地検を訪れ、平検事らと「検事との対話」を行った。曹氏は今後も全国の検察庁を回って検事たちと会う計画だ。検察を指揮、監督する法務部長官が検察制度と組織文化の改善に向けて現場の声を聴くことは問題になることではない。しかし、そのような現場訪問と対話にも適切な時期と方法がある。本人と家族をめぐる疑惑に対する検察捜査で国全体が沸き返っている状況で、一線の検察庁を回って検事に会うことは、その意図が疑われるほかない。

曹氏の妻のチョン・ギョンシム東洋(トンヤン)大学教授は、娘が受けた東洋大総長名義の表彰状を偽造した疑いで起訴された。娘もこれと関連して検察の聴取を受けた。チョン氏らが投資した私募ファンドの実質的運営者とされる曹氏の親戚のチョ・ポムドン容疑者は、裁判所で逮捕令状が発行された。曹氏本人も私募ファンド運用報告書のねつ造などの関与が疑われており、近いうちに聴取を受けなければならない状況だ。その曹氏が検事を集めて検察改革について話すとは、長官地位の乱用であり恥知らずだ。

しかも、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)を新設して警察に一部事件の捜査権を移譲する内容の検察改革案はすでに国会で迅速処理案件(ファストトラック)に指定された状態だ。検察改革はもはや法務部ではなく国会の役割だ。しかし、この時に検事に会って検察改革を話すことは、自身に対する捜査を指示した検察首脳部と捜査チームに対する圧力であり、捜査が不当だという抗議とみえる。静かに一線の検察庁を指導訪問した先任の長官たちと違って、あえて「検事との対話」という名前をつけて平検事を集めるのも、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と検事の過去の対話を連想させようという政治的意図がうかがえる。

曹氏が今耳を傾けなければならない対象は平検事ではなく自身への世論だ。曹氏の交代を求める大学教授の時局宣言には3千人以上の教授が参加した。曹氏の任命が不適切だという世論調査の結果も連日溢れている。捜査が進めている各種疑惑の違法有無を離れても、曹氏はすでに高位公職者として資格がない。その曹氏が検事たちと対話をすると言って全国「巡回ショー」をする姿を見なければならない国民の心は穏やかでない。