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「北の核除去失敗時はアジアで核武装論台頭」 中国は米高官の警鐘を聞き流すな

「北の核除去失敗時はアジアで核武装論台頭」 中国は米高官の警鐘を聞き流すな

Posted September. 09, 2019 08:39,   

Updated September. 09, 2019 08:39

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ビーガン米北朝鮮政策特別代表が6日、ある講演で、北朝鮮との核協議が失敗すれば、韓国、日本などアジアで核武装論が台頭すると述べた。ビーガン氏は、「北朝鮮の核除去の努力が失敗すれば、アジア全域の核拡散という挑戦に対応することになるだろう」というヘンリー・キッシンジャー元国務長官の言葉を紹介し、「アジアの同盟は米国の拡大抑止に対する信頼で核計画を止めたが、脅威が続くなら、いつか独自の核能力を考える必要がないのか反問するだろう」と指摘した。

北朝鮮の核武装が生む「核ドミノ」シナリオは昨日今日の話ではない。米朝協議が膠着状態に陥って、米議会や専門家たちの間ではすでに戦術核の韓半島再配備だけでなく、韓日との核共有の主張まで出ている。今回は、北朝鮮非核化実務協議の責任者、それも北朝鮮が軽く扱えない米政権高官の発言だ。米国も北朝鮮の核脅威が大きくなれば核不拡散政策を守ることは難しいという警告であるため、決して軽くやり過ごすことはできない。

ビーガン氏の発言は、トランプ氏が先の大統領選の時に掲げた「韓国・日本の核武装容認」を連想させる。トランプ政権は、「世界の警察」の役割を拒否し、地域安保は該当国が責任を負うようにする米国第一の徹底した現実主義を追求している。米国では、北朝鮮の核脅威はもとより、中国の軍事崛起に対抗して韓国・日本の核武装を許容することで、牽制と均衡を図る「域外均衡(offshore balancing)」戦略を展開する必要があるという主張が早くから出ていた。

アジア核武装論は、北朝鮮だけでなく、その後ろにいる中国を狙ったものだ。北東アジアの連鎖核武装を警戒する中国にとっては、北朝鮮の保護にだけ汲々としていては、核武装国家に包囲されるという圧力だ。ビーガン氏は今後1年内に重大な進展をなければならないとし、その期限も提示した。具体的な協議と合意、実質的な非核化までギリギリだが、米国はもはや待てない。中国も、遠からず現実になる悪夢を避けるためにも、乗り出す時だ。