Go to contents

求人難のニューヨークレストラン、「シェフ共有」の風

求人難のニューヨークレストラン、「シェフ共有」の風

Posted September. 03, 2019 08:55,   

Updated September. 03, 2019 08:55

한국어

先月30日(現地時間)正午頃、米ニューヨーク・マンハッタンのコリアタウンのある32番街の近くの都心には、電動自転車やスクーターなどに乗った配達員が慌ただしく街を行き来した。食べ物が載ったカバンやベストには、「ウーバーイッツ(Uber Eats)」や「ドアダッシュ(DoorDash)」など、「配達共有」アプリのロゴが記されていた。ニューヨーク・マンハッタン通りは最近、ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)などの車両共有サービスから配達共有アプリまで、新型「共有経済」サービスが占領している。最近では、半世紀ぶりの最低失業率の中で、リアルタイムでシェフなどの専門職求職者までが求人難に苦しむレストランに結び付ける「共有ジョブ」アプリが急成長している。

●乗車、配達からキッチンにまで拡散された「共有経済」

1日、調査会社TDn2Kによると、米国レストランチェーンの93%が、キッチンの人手不足を訴えている。この隙間から「共有ジョブ」アプリは、リアルタイムで離職率の高いサービス業の短期職マッチングサービスを提供して注目を集めている。

スタンフォード大学出身のシェフであるウィル・パチオが、2015年、カリフォルニア州サンフランシスコで起業した共有シェフアプリ「ぺアード」(www.pared.com)は、シェフなどの専門人材約10万人とサンフランシスコ、ニューヨークのレストラン数千カ所を斡旋している。カリフォルニア州サンフランシスコから出発したインスタワーク(Instawork)やWonoloも仕事を紹介する「雇用共有」アプリとして人気を集めている。レストラン、宿泊業界の人材50万人が活動しているインスタワークはサンフランシスコ、シカゴ、ロサンゼルス、ラスベガスなどで事業を拡大している。ぺアードは130万ドル(約15億7000万ウォン)、インスタワークは280万ドル(約34億ウォン)のベンチャーキャピタル投資も受けた。

●職業安定の代わりに柔軟性を選んだ労働者

昨年、マンハッタンのベジタリアンレストランのシェフをやめたシェフのクリストファー・モアテンスン氏は、「ぺアードアプリを利用して、キッチンに人手が必要なレストランを回りながらパートタイムで働く。正社員の安定性より共有経済の職業の柔軟性という利点を選んだのだ。マンハッタンだけで、彼が働いたラストランのキッチンが70ケ所を超える。モアテンスン氏は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)とのインタビューで、「以前稼いだときより多くのお金を稼いでいる」とし、「以前の正規職レストランの雇用に戻ることは想像できない」と話した。NYTによると、2018年現在、ぺアードの労働者らは1時間当たりに平均19.66ドル、インスタワークの契約者たちは1時間に19.37ドル(ロサンゼルス)から22.77ドル(サンフランシスコ)を受け取っていることが分かった。米連邦最低賃金(7.25ドル)はもとより、ニューヨークの最低賃金(15ドル)より多くのお金を稼いでいる。

レストランのオーナーたちも、求人を巡る悩みを緩和できるため歓迎している。レストランのオーナーたちは、「共有シェフ」の勤務結果に評点を付け、給与もアプリを通じて支給する。労働者を働くつもりにさせておきながら、24時間以内にキャンセルしたり、労働者が現れなかったら、「共有ジョブ」プラットフォームのアカウントが削除されたりする不利益を受けかねない。

「共有ジョブ」プラットフォーム労働者たちは、個々の事業者とみなされる。医療保険、有給休暇、失業保険などの特典がない。好況期には問題がないが、働き口が足りない低迷期には仕事と所得の安定性が低下しかねない。イペオマ・アジュンワ・コーネル大学法学部教授は、NYTとのインタビューで、「(共有ジョブ・アプリは)求職と求人の迅速な解決策を示すという点では魅力的だが、アプリを利用する労働者たちは生涯、不安定な仕事を転々としなければならないという点で危険だ」と指摘した。


朴湧 parky@donga.com