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21年のこだわり…X線機器が日米から「技術独立」

21年のこだわり…X線機器が日米から「技術独立」

Posted August. 15, 2019 07:32,   

Updated August. 15, 2019 07:32

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モットーは「牛步千里(牛歩で千里を行くという意味)」だと語った。成果が出ないとなると同僚の研究者たちが一人二人と離れた「流行の過ぎた」研究テーマに20年以上専念した。研究費さえ思うように調達できなかったが、あきらめなかった。試行錯誤を経て、また経験した結果は大きかった。123年間変わらなかったX線技術を根本から揺るがす効率良く完成度の高い新技術の開発に、ついに成功した。

李鐵眞(イ・チョルジン)高麗(コリョ)大学電気電子工学部教授の話だ。李教授は、コンピュータ断層撮影(CT)などの医療とセキュリティ、非破壊検査などに広く使われるX線装置のコア部品である「X線管」に代わる次世代X線管(冷陰極X線管)一筋に21年間研究を行った末、世界で初めて開発した。X線管は、X線を直接発生させるコア部品で、1個の価格が最大で数千万ウォンに達する。この部品を中核機器として使った医療機器の中には、1台当たり数十億ウォンを超えるものもある。しかし、X線管の分野は米国と日本企業が掌握(独占)している。

13日、ソウル城北区(ソンブクク)高麗大学安岩(アンアム)キャンパスの研究室で会った李教授は、試作品まで作った新しいX線管を初めて公開した。氏は、「既存のX線管技術を120年以上前から開発してきた米国と欧州、日本企業と韓国企業は厳然たる技術の差がある」とし、「既存のパラダイムをひっくり返さなくては後発走者である韓国としては見込みがなかった」と語った。氏は韓国が比較的技術力のあるカーボンナノチューブを利用してX線管を製作する研究に没頭した。李教授は、カーボンナノチューブを素材段階から直接開発して、100倍効率が良い上、既存の医療機器に直接応用できるX線管を開発した。現在、この技術は、韓国内外に13件の特許を登録または出願しており、関心を持つ国内外企業を対象に技術移転について議論している。

李教授は、1983年に三星(サムスン)半導体通信(以後、三星電子と合併)に入社し、9年間64K・Dラムから16M・Dラムまでの開発に関わった韓国半導体神話の元年メンバーの一人でもある。当時も先進国でさえ試みなかった素材の革新を主導して、「半導体韓国」の基礎を固めることに貢献した。彼は「最近、日本との『素材戦争』を眺める感慨が格別だ」とも語った。

「日本の半導体素材部品の輸出規制が現実化されたことで、『韓国は素材研究をせず何をしたのか』」という批判があります。しかし、国内でも『牛步千里』の姿勢で着実に研究する研究者もいます。我が国民も希望を持って欲しいと思います」


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com