Go to contents

「昼夜問わないセミの鳴き声で寝れない」 気候変動と熱帯夜が招いた現象

「昼夜問わないセミの鳴き声で寝れない」 気候変動と熱帯夜が招いた現象

Posted August. 06, 2019 09:55,   

Updated August. 06, 2019 09:55

한국어

今年の夏の猛暑、熱帯夜と共に私たちのそばを訪れた客がいる。ほかならぬセミだ。気象庁の季節観測によると、ソウルでは、先月19日にセミの初鳴き声が聞こえ始めた。日中の最高気温が35度まで上がった日だった。特に蒸し暑かった昨年より4日遅れた。

夏にセミの鳴き声が聞こえるのは当然の現象だが、ここ数年、新しいセミは昼と夜を問わず鳴いている上、鳴き声も大きくなった。東南アジア地域が原産であるクマゼミ(写真)が、2000年代に入って、都心を中心に急速に広がったためだ。通常気温が27度以下でより多く活動していたミンミンゼミとは違って、クマゼミは27度以上の時に75~95dB(デシベル)で鳴く。住宅地の騒音基準(昼間は65dB、夜間は60dB)をはるかに超えるレベルだ。

セミの鳴き声は都心でより猛威を揮う。気候変動と都心のヒートアイランド現象、熱帯夜が作り出した結果だ。チャン・イグォン梨花(イファ)女子大学エコ科学部教授は、「30年前までは、クマゼミはなかなか目にできなかった」とし、「ソウル汝矣島(ヨイド)と盤浦(パンポ)、蚕室(チャムシル)など相当前に形成されて街路樹が生い茂り、それと同時にビルも多く、ヒートアイランド効果が現れる都心で主に発見される」と説明した。特に日が暮れた後も最低気温が25度以上を維持する熱帯夜現象と看板と街灯の光が多いせいで、ここ数年、セミは昼夜を問わず鳴く。

クマゼミとミンミンゼミは、鳴き声で区別できる。環境部によると、ミンミンゼミの鳴き声は比較的気温が低い午前4~9時に多く聞こえる。オスが「ミン~ミン~ミン~」とリズム感をもって雌を呼ぶ。一方、高い気温でより猛威を振るうクマゼミは、「チイイイイ~」と叫ぶように鳴く。人が聞くことができる可聴音帯域の周波数は、4~6kHz(キロヘルツ)だが、ミンミンゼミの音は4kHz、クマゼミの音は6kHz帯域に属するため、騒音として認識されるのだ。

最近は、クマゼミに続いてミンミンゼミも高温に適応した可能性が提起されている。チャン教授は、「気温が上がり、ミンミンゼミの姿を見ることが難しくなったところもある」とし、「しかし、ソウルでヒートアイランド現象を示す地域では、クマゼミだけでなく、ミンミンゼミも多く見受けられるので、変わった気温に適応したかについて研究を進めている」と説明した。


カン・ウンジ記者 kej09@donga.com