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認知症誘発原因の脳内ゴミ排出経路を解明、基礎科学研究院チーム

認知症誘発原因の脳内ゴミ排出経路を解明、基礎科学研究院チーム

Posted July. 25, 2019 07:34,   

Updated July. 25, 2019 07:34

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韓国国内研究チームが、認知症を誘発する脳内ゴミの排出経路を明らかにすることに成功した。脳の中のゴミとは、脳の代謝活動を通じて生成される副産物で、脳に蓄積されると、認知症のような退行性脳疾患を引き起こす。今後、退行性脳疾患を治療する新薬開発の突破口が開かれるのか期待される。

高圭永(コ・ギュヨン)基礎科学研究院(IBS)血管研究団長(KAIST医科学大学院特訓教授)チームは、脳の中の老廃物が脳の外に排出される主な経路は、脳の下部にある「脳膜(脳脊髄膜)リンパ管」ということを初めて明らかにし、国際学術誌「ネイチャーの25日付に発表した。

脳膜は、脳や神経の表面を取り囲んでいる3重の膜で、他の物質や病原体が入らないように防ぐ。リンパ管は、免疫細胞や体液が移動する体内通路だ。

研究チームは、マウスの脳脊髄液に蛍光物質を注入後、磁気共鳴画像(MRI)で脳脊髄液が排出される経路を追跡した。その結果、脳の下部に位置する脳膜リンパ管を通じて、脳にたまった代謝副産物を外に排出することを確認した。これは、脳上部にある「クモ膜絨毛」を主要な排出口と推定していた従来の研究を覆す結果だ。

研究チームは、老化が起きたときに代謝副産物が正常に排出されない現象とその原因も確認した。老化実験ラットの脳を分析した結果、老化とともに脳下部の脳膜が異常に大きくなる現象を発見した。研究チームは、「老化が進むにつれて、脳膜リンパ管の内部で体液の流れを調節する構造物である『弁』が壊れたのが原因だ」とし、「このためリンパ管が詰まって、脳脊髄液の排出機能が低下するものと推定される」と説明した。

高団長は、「脳下部の脳膜リンパ管の排水機能を向上させる治療薬を開発すれば、新しい退行性脳疾患を治療できる」と語った。


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com