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非公式訪韓のアルゼンチン副大統領「韓国の障害者雇用政策を学びたい」

非公式訪韓のアルゼンチン副大統領「韓国の障害者雇用政策を学びたい」

Posted July. 02, 2019 09:59,   

Updated July. 02, 2019 09:59

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今年3月下旬、アルゼンチンのガブリエラ・ミケティ副大統領が韓国を非公式訪問した。彼女は交通事故で下半身に障害を負い、車椅子を使用しているが、2015年に副大統領に当選した立志伝的人物だ。ミケティ副大統領は同月25日、ソウル中区(チュング)にあるロッテホテルで趙鍾蘭(チョ・ジョンラン)韓国障害者雇用公団理事長に会った。1990年、雇用労働部傘下の機関として設立された公団は、障害者雇用政策を総括執行する。

ミケティ副大統領は、超理事長に会うと、すぐに障害者義務雇用制に深い関心を示しながら、質問を吐き出したという。アルゼンチンは2003年に障害者義務雇用制を導入したが、まだ道のりは遠いと判断したのだ。彼女が非公式訪問の形式をとった理由も、時間を奪われる公式儀典と手続きを最小限に抑える代わりに、短い訪韓期間中に韓国障害者雇用政策の中核を知りたいという意味が働いたことが分かった。

1991年に施行された障害者義務雇用制は、国と地方自治体、従業員50人以上の公共機関や民間企業が従業員全体のうち一定の割合(それぞれ3.4%、3.1%)以上は障害者を雇わせることであり、これを履行しなければ負担金を払わせる制度だ。

2008年からは子会社型障害者標準事業所制度を施行している。従業員の30%以上を障害者で雇う子会社を設立すれば、親会社が障害者を雇用したものとみなされる制度だ。政府は、標準事業所1カ所当たりに最大で10億ウォンを支援している。

雇用部の関係者は、「韓国も障害者義務雇用制を実施する前は、障害者雇用政策というものが事実上皆無だった」とし、「障害者雇用義務制こそ、障害者雇用政策の出発点だ」と語った。

韓国の障害者義務雇用制は、ドイツ(1919年)、英国(1944年)、日本(1960年)をはじめとする先進国より、実施が相当遅れているのが現状だ。しかし、施行から30年足らずの現在、障害者雇用率は、1991年の0.43%から昨年は2.85%を示し、6.6倍に増加する成果を見せている。実際、2017年基準の韓国の生産可能人口(15~64歳)における障害者雇用率は49.2%で、経済協力開発機構(OECD)の平均である47.6%より高い。

このような成果に支えられ、アルゼンチンだけでなく、フランスや豪州、ロシア政府の関係者も次々と韓国を訪れて障害者雇用政策をベンチマーキングしている。超理事長は、ミケティ副大統領の招待で先月6~8日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた世界障害者サミットで「包容的労働市場構築のための韓国の障害者雇用政策の推進方向」というテーマで発表した。

政府と公団は、このような成果が障害者雇用義務制だけから出たものではないと見ている。企業価値を社会貢献、社会的価値に置く企業が増えていることも、雇用義務制に劣らない原動力だと評価する。超理事長は、「社会的価値経営が強調され、企業の障害者雇用に関する認識が前向きに変わっている」とし、「障害者雇用は、政府と企業が二人三脚で一緒に歩いてこそ改善されると、ミケティ副大統領にも助言した」と語った。


ソン・ヘミ記者 1am@donga.com