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天真爛漫なスーパーヒーローの期待を裏切らない蜘蛛糸アクション

天真爛漫なスーパーヒーローの期待を裏切らない蜘蛛糸アクション

Posted July. 02, 2019 10:02,   

Updated July. 02, 2019 10:02

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※この記事には、映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」と「スパイダーマン:ファー・フロム・ ホーム」のネタバレがあります。

これよりあどけないスーパーヒーローがいるだろうか。2日公開される「スパイダーマン:ファー・フロム・ ホーム」のピーター・パーカー(トム・ホランド)は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ2016年)で、そうそうたるスーパーヒーローたちに「皆さん、こんにちは?」と登場した、その姿のままだ。

サノスとの戦いの後、5年間消えていた人々が戻ってきたが、世界はまだ混乱している。日常に戻ってきたパーカーは、友達と旅立った欧州旅行で新しいヴィラン(悪役)「エレメンタル」に出会う。しかし、まだ10代のスパイダーマンに地球を守ることは、「大物スーパーヒーローが解決すべき問題」であり、心は片思いする友達MJ(ゼンデイヤ・コールマン)に向かっている。

今回の作品は、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)で死亡した「アイアンマン」トニー・スターク(ロバート・ダウニー・ジュニア)の影がまだ強い。ところが落ち込むよりは軽快なトーン。劇前半に彼を追悼する写真と共に流れるホイットニー・ヒューストンの「I will always love you」は、爆笑を引き起こすほどだ。

1日、来韓懇談会に出席したホランドにも、「ロバート・ダウニー・ジュニア」の空席は大きかったという。彼は、「誰もがアイアンマンの代わりになることなどできない。今回の映画を撮影しながら、ロバートにはたまに電話をかけてアドバイスを求めた」と語った。

腕白な青少年であり、「完成型」ヒーローではないという点で、ホランドが演じたピーター・パーカーは、以前のスパイダーマンシリーズとは流れを異にする。サム・ライミ監督(2002~2007年)は、パーカー(トビー・マグワイア)の憂鬱を前面に出し、マーク・ウェブ監督(2012~2014年)は、パーカー(アンドリュー・ガーフィルド)のねちっこさに特化させたのだ。映画は、アイアンマンの後継者の座をめぐって悩むスパイダーマンの成長期が、ティーン映画にふさわしく込められている。

「アイアンマンは億万長者、ソーは神ですが、スパイダーマンは完全でも成熟してもいないスーパーヒーローですね。そのような意味で普通の私たち皆を代弁していると思います」

もちろん「アベンジャーズ/エンドゲーム」以降、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズの最後を飾る映画というには重みが落ちる。宇宙を駆け巡るキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)がレーザーを撃つスケールを期待すれば、失望するかもしれない。それでもシリーズを総整理する4着のスパイダーマンの衣装とヴェネツィア、プラハなどの美しい都市で繰り広げられるアクションシーンは、目を捕らえるに十分だ。特に蜘蛛の糸を放ちながら、何百ものドローンと繰り広げるロンドンでの戦いは断然スパイダーマンだけができることだ。

ずっとスパイダーマン、バットマンなどのキャスティングの候補に上がりながら、初めてスーパーヒーロー映画に出演するジェイク・ジレンホールの存在感も目立つ。「ミステリオ」の役割を引き受けた彼の演技は、「スパイダーマン:ホームカミング」で立体的なヴィランとして好評を受けたヴァルチャー(マイケル・キートン)と肩を比べるに値する。「チョルチョリ(男性ソックス/タイツ)を着て演じることがこんなに楽しいとは思わなかった」という彼は、奉俊昊(ポン・ジュンホ)監督の「オクジャ」(2016年)の撮影に次いで二度目に来韓した。

「韓国に来る前、奉監督に連絡したんですが、電子メールでレストランをお勧めしてくれました。あそこで昨日トムと夕食を食べました(笑)」


申圭鎭 newjin@donga.com