Go to contents

米財務長官、「人民元下落は偶然ではない」と中国政府の介入を非難

米財務長官、「人民元下落は偶然ではない」と中国政府の介入を非難

Posted June. 11, 2019 08:39,   

Updated June. 11, 2019 08:39

한국어

中国が米国の関税爆弾に人民元安容認で対抗する可能性を露骨に表明した。すでにオフショアー市場での為替相場は人民元が年中最安値を超えるなど、追加の人民元下げを見込んだ動きが現れている。連動して韓国ウォンも大きく揺れた。

10日、ブルームバーグ通信と韓国投資証券によると、同日香港のオフショア市場で人民元の対米ドル相場は今年最安値の1ドル=6.9518元で取引された。1ドル6.7元まで押し上げたオフショアでの為替相場は、ドナルド・トランプ米大統領が中国からの2500億ドル相当の輸入品に25%の関税を適用した5月から下げ足を速めている。

韓国投資証券のチョン・ヒソン研究員は「オフショア市場参加者が人民元の追加安の可能性を見込んで動いているので、公示相場とオフショア為替相場とに開きが生じたもの」と分析した。同日、中国中央銀行の人民銀行が公示した人民元の対米ドルの為替相場は、前取引日より0.002元下げた6.8925元だった。人民元安を受けて、ソウル為替市場でのウォンの対ドル相場は前取引日和3.8ウォン安い1185.2で取引を終えた。

グローバル為替市場では、さらに人民元安が続くとの分析が支配的だ。米国投資銀行のゴールドマンサックスは、同日、3ヶ月内に人民元が対ドル相場7.05元に達するものと予想した報告書をまとめた。ゴールドマンサックスのエコノミストであるジャック・ぺンダル氏は「中国当局者は『心理的マジノ線』である1ドル7人民元の崩壊を嫌うかもしれないが、人民元安は米国の高率関税を相殺できる当然の措置である」と指摘した。人民元が1ドル=7人民元を割り込んだのはグローバル金融危機の2008年5月が最後。

このような分析は、易鋼人民銀行総裁が7日(現地時間)ブルームバーグとのインタビューに応じ「人民元の為替相場における若干の柔軟性は、中国経済と世界経済にとって良いこと」とした発言が中国通貨安の追加容認として解釈され、支持を得た。また、中国の外貨準備高は減少すると見た市場の予測とは裏腹に、人民銀行は5月末、外貨準備高を1ヶ月前に比して61億ドル増えた3兆1010億ドルと発表した。海外メディアは「中国の外為市場への介入が最小限に止まっていることの証」と分析した。

米国は、中国の為替政策を非難しはじめた。ムニューシン米財務長官は先週末、日本福岡で開かれた主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に「人民元の対ドル相場が(1年前)6.30元から6.90元に動いたのは偶然ではない」とし、「中国は自国通貨安に仕向けている」と話した。米国の関税引き上げに対応した人民元安であるという指摘だ。

9日、福岡で閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議では、米中貿易戦争が世界経済の危機を招くという懸念が飛び交った。米国ニューヨークタイムズによると、ブリュノ・ル・メール仏財務相は「実質的、全面的な貿易戦争に近づいている。貿易戦争が、経済危機、経済成長の欠如、世界全域に及ぶ経済成長の鈍化をもたらすことをG20は皆、認識している」と批判した。オラフ・ショルツ独財務相は「不安定性は根本的な経済指標に影響を与える。通商摩擦からの脱却の道を願う」と話した。


李建赫 gun@donga.com