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粛清説は静めたが、正恩氏は連日「規律引き締め」

粛清説は静めたが、正恩氏は連日「規律引き締め」

Posted June. 05, 2019 07:42,   

Updated June. 05, 2019 07:42

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金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長に続き、長い間姿を見せなかった金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部第1副部長が姿を現わした。北朝鮮メディアが2日、「粛清説」、「謹慎説」が流れた2人を公開したのは、米国など国際社会の北朝鮮に対する世論悪化を防ぐためと見られている。

労働新聞は4日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏が前日、平壌(ピョンヤン)5・1競技場で行われた大規模マスゲーム「人民の国」開幕公演を観覧したことを伝え、与正氏も公演に参加したと報じた。4月12日の最高人民会議後、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿参拝(4月15日)、ロシア訪問歓送式(4月24日)などにも姿を現わさなかった与正氏をめぐって、これまで謹慎説、健康不安説が絶えなかった。

長い間、姿を現わさなかったにもかかわらず、与正氏の政治的地位に変わりはないようだ。与正氏は、党副委員長(8人)を含む15人の党・政府幹部の中で10番目に呼称されたが、第1副部長クラスでは、趙甬元(チョ・ヨンウォン)組織指導部副部長に続き2番目に呼ばれた。同紙が公開した写真を見ると、与正氏は李雪主氏の隣の席に座った。英哲氏も前日に続き同日の公演に参加した。党副委員長の中で最後に呼称され、一部では副委員長ポストから下ろされたのではないかという観測が流れたが、統一部は4日、「英哲氏は党副委員長のポストを維持している」と公式に確認した。

 

北朝鮮メディアが英哲氏と与正氏を相次いで公開したことについて、統一研究院北朝鮮研究室の洪珉(ホン・ミン)室長は、「米国の強硬派の間で北朝鮮の交渉システム、(非核化の)意思に対する懐疑的なムードが形成されている状況で、処刑や粛清がなされる北朝鮮体制に対する米国内の不信が増すことを防ぐために意図的に企画した」と指摘した。ホワイトハウス内の強硬派の立場が強化することを防ぎ、トランプ米大統領の周囲の対話派に力を与え、非核化基調を維持しようとしたということだ。

一方、正恩氏は再び、党幹部らの「作業姿勢」を叱責し、内部の引き締めに乗り出した。同紙は4日、「(正恩氏が)大規模マスゲームと芸術公演創造構成員を呼び、作品の内容と形式を指摘し、彼らの誤った創作創造の気風、無責任な作業姿勢を批判した」と伝えた。これに先立ち1日、青少年教育施設のずさんな管理を指摘し、党勤労団体部幹部らの「作業姿勢」を問題視した。正恩氏の叱責は、来年の「5ヵ年戦略」の最終仕上げを控え、制裁など悪化した対外的条件を打開するために、内部の引き締めに出たと分析されている。国家安保戦略研究院のキム・インテ責任研究員は、「来年まで顕著な経済成長を示さなければならないのに、制裁が続く状況で、総力を挙げなければ失敗すると懸念している」と分析した。ホン室長も、「非核化交渉に没頭するあまり経済に神経が使えなかったが、4年目に入って焦っているようだ」と診断した。


李知訓 easyhoon@donga.com