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浦項市、地域の「新薬開発クラスター」形成に拍車

浦項市、地域の「新薬開発クラスター」形成に拍車

Posted June. 05, 2019 07:44,   

Updated June. 05, 2019 07:44

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慶尚北道(キョンサンブクト)と浦項(ポハン)市が新薬開発クラスター形成事業に本腰を入れている。浦項市は最近、クラスター形成のコアー事業となる科学技術情報通信部発注の細胞膜タンパク質研究所の事業者に選ばれ、国費229億ウォンの財源を確保した。膜タンパク質研究所は来年12月、浦項市興海邑里仁里(フンへウプ・イインリ)の融合技術産業地区に地下1階、地上3階、延べ面積6012平方メートルの規模で建設される。

グローバル新薬開発の中核インフラとされる細胞膜タンパク質研究所の事業者として浦項市が選ばれた理由は、浦項工科大学(ポステク=POSTECH)保有の第4世代放射光加速器にある。第4世代放射光加速器を利用すれば、疾患に関わる原因の6割を占めるとされる膜タンパク質の構造を解明できると期待されている。ドイツと米国に次ぐ世界3番目の細胞膜タンパク質研究所は、がん、感染症、代謝性疾患、脳、心血管、希少疾患など6大重症疾病の構造を分析、応用し抗体医薬品と新薬候補物質についての研究を行う。

慶尚北道・雇用経済産業室のキム・ホジン室長は「同研究所は1500兆ウォン規模のグローバル新薬市場をリードしていくだけのバイオ新薬事業の中核インフラになるものと確信する」と話した。

ポステクによって設立・運営される研究所は2023年まで地方財源229億ウォンが追加投入され、1件の新薬候補物質の開発と20件の構造解明、5件の特許登録、7件の技術移転を目標に研究開発を行う。インフラ整備と設備導入に拍車をかけるため、浦項市が研究所事業の施工者となる。

研究所設立後、軌道に乗り出したら慶尚北道は研究所を中心に企業と協力体制を築き、新薬設計及びデザイン、技術事業化などを共同で進める方針だ。今年2月、慶尚北道と浦項市、ポステク、鉄鋼メーカーのポスコは膜タンパク質研究所の運営支援のための業務提携を結んだ。参加企業は状況に応じて徐々に拡大していく予定。

慶尚北道と浦項市は、これまで地域の主力産業だった鉄鋼業が瀕した危機からの脱却をはかり、未来成長の原動力になる機会として新薬開発を捉えている。生命工学研究院と加速器新薬研究所、ビジネス融複合センターをつくる一方、シナジー効果を期待できる民間資本を誘致し、新薬研究中心の病院、先端臨床試験センター、動物実験代替法評価センターを立てる計画だ。また、新薬の開発を青年ベンチャーと専門企業の育成、雇用創出につながるスタートアップ(新生ベンチャー)ファンド造成にも取り組む計画だ。有望な融合産業分野が集積した団地を造成する科学ベンチャーバレー形成事業も進める。

李康徳(イ・カントク)浦項市長は、「浦項を国内新薬開発事業の拠点になるようサポートしていきたい」と語った。李喆雨(イ・チョルウ)慶尚北道知事は、「科学産業の核となる慶尚北道東海岸地域から地方はもとより、国家全体の経済発展につながるような新しい風を起こしたい」と語った。


張泳勳 jang@donga.com