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現存最大の朝鮮時代の月壷が競売に

Posted June. 04, 2019 09:26,   

Updated June. 04, 2019 09:26

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朝鮮末期に主に作られた月壷は、中国や日本では見られない韓国陶磁の独特の様式だ。朝鮮の他の白磁とは違って、高さが40センチ以上になるほど大きく、豊かな感じと美しい曲線が特徴だ。指定された国宝も3点ある。

これまで公開された朝鮮時代の月壷の中で最大と確認された月壷が、東亜(トンア)オークションの競売に出品された。12日午後3時、ソウル西大門区(ソデムンク)にある東亜日報の忠正路(チュンジョンロ)社屋18階の東亜オークション・ギャラリーで開かれる第6回東亜オークションの定期競売には、約200件の芸術品が出品される。

今回の競売で最も注目される作品は、高さ57センチ、幅49センチの月壷だ。これまで国宝に指定された月壷3点がみな高さ44~49センチという点で、東亜オークションに出品される月壷は圧倒的な大きさを誇る。

月壷は、現存する作品が20~30点ほどしかなく、珍しい文化遺産とされる。朝鮮時代の王室の官窯(官庁の磁器を作る窯)で作られ、当初、王室と上流層の両班(ヤンバン)のための専有物だった。

 

今回出品された月壷は、よく見ると表面がなめらかではなく、多少荒い。秘密は「釉薬が乾く現象」にある。陶磁器は一度作れば形が変わらないため、窯で焼いた時から自然美を持って誕生する。陶芸家のシン・ハンギュン氏は、「窯の中がいくら高い温度でも、中には水分があり、その過程で釉薬が乾く現象が起こる」とし、「定形化しているより、親しみのある美感を与える月壷の魅力がうかがえる作品」と説明した。明智(ミョンジ)大学のイ・テホ名誉教授も、「飾りけなく青く薄い色も細かい粗と混ざって良い」とし、「卓越した陶工の無心さと手の味が生きて息をしているようだ」と強調した。

日本による植民地支配期の独立活動家であり国学者、ジャーナリストとして活動した為堂(ウィダン)鄭寅普(チョン・インボ、1893~1950)の未公開の直筆の手紙10件も出品される。その中でも、為堂が「峰山石室」というある名勝地を訪れて感想を残した文が注目される。「静けさの中、知恵が芽生えて(静慮宜発智)/明るさを追求すると、おのずと澄んでくる(湛明本自澄)」

近代国学研究の泰斗だった為堂は、東亜日報の記者として活動し、卓越した文才を誇った。光復(解放)後、5大祝日のうち3.1節、憲法記念日、光復節、開天節(建国記念日)歌を作詞した。

千鏡子(チョン・ギョンジャ)画伯(1924~2015)の「ギターを弾く人」(1967年)も出品された。千画伯の特有の強烈な色のセンスと文学的叙情性を背景に人間への愛欲と歓喜、孤独、恐れなどがものさびしく表現された。萬海(マンヘ)韓龍雲(ハン・ヨンウン)の直筆の手紙や白凡(ペクポム)金九(キム・グ)が書いた揮毫「雨催樵子還家(雨は木こりが家に帰るよう促す)」と菜根譚の筆写などの文2点、旧韓末の朝鮮を訪れた外国人に発行された一種の旅行証明書「護照」なども出品された。

東亜オークションでは出品作を直に見ることができるよう常設展示されている。競売に出された品は5日からソウル東亜オークション・ギャラリーで見ることができる。毎日午前10時から午後6時まで。詳しい内容はホームページ(www.dauction.kr)を参考。02-362-5110。


柳原模 onemore@donga.com