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プロチーム訓練場顔負けの社会人スポーツセンター

プロチーム訓練場顔負けの社会人スポーツセンター

Posted May. 11, 2019 07:58,   

Updated May. 11, 2019 07:58

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生活スポーツは日常だ。2月に文化スポーツ観光部が発表した2018年の国民生活スポーツ参加実態調査によると、昨年、生活スポーツ(週に1回以上、1回の運動時間は30分以上)への参加率はこれまでで最も高い62.2%を記録した。5年前の2013年の45.5%に比べて16.7%ポイントも増えた。このため、単純なレジャー生活を超え、より体系的かつ専門的なスポーツ活動への需要も着実に増えている。プロスポーツ球団で使いそうな先端、高級施設で生活スポーツ人をひきつけるところも多い。

●手の動き一つ一つを細かく直す

「今の画面を見れば、『1:30』という数字が出ていますね。1時30分の方向にボールの回転軸がずれているということです。手が曲がった状態でボールを斜めに打つから、それだけ回転が正常に出ないでしょう」

8日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の野球トレーニングセンター「エロン・ベースボールラボ(エロン)」で投球のレッスンをしていたカン・スンヒョン監督(34)は、マウンドの横に設置されたモニター画面を指しながらこう言った。500平方メートル余りの室内空間の片方に設けられたマウンドに立った一般会員がキャッチャーにボールを投げるたびに、モニター画面の中の数字も変わった。プロ野球ロッテ、ハンファで11年間選手生活をしたカン監督は、「今のようなオーバスローの姿勢には、12時45分の方向になったとき良い回転が出ると思う。手を曲げないように気を使いながら再びボールを投げてみて」とアドバイスした。

トラッキング(Tracking)システム「ラプソード」を活用したレッスンのシーンだ。エロンが600万ウォンをかけて用意したラプソードは、韓国国内のプロ球団はもとより、大リーグ(MLB)で使う分析装置だ。キャッチャーの後ろに設置した超高速カメラが、投手が投げるボールの速度、回転数、軌跡の変化などを分析して、タブレットPCに送る。単純な回転数を超えて有効回転(球の動きに実際に影響を与える回転)、回転効率(全体回転中の有効回転の割合)などの具体的な情報も提供する。ホームプレート基準で何メートル前でボールが予想軌道と違って曲がり始めるかも分かる。

カン監督は、「自分は『良いボールを投げた』と感じたが、データ上では大きな変化がないこともある。様々な試みの変化を数値で確認できることが大きなメリットだ」と語った。

プロの舞台で使われていたデータ資料が、社会人野球のトレーニング施設にまで来たのは、生活スポーツ人たちの高まった目線のためだ。最近野球関連の統計サイト、テレビの中継などで具体的なデータを簡単に接することになったことで、社会人野球人たちも、自分の具体的な情報についての好奇心が生じたという分析だ。パク・チョル・エロン代表(52)は、「野球教育の磁気共鳴画像装置(MRI)とも言える。野球は結局人が教えるが、具体的な数値があるかないかによって信頼の深さが違う」と話した。エロンは、社会人野球のほか、エリート、ユース教育も並行する。

社会人野球11年目のパク・ジョンウォンさん(40)は、「これまで周りから『ボールの切れがいい』という評価を受けてきたが、これを回転効率という具体的な数字で確認すると、より訓練効果が大きい」と話した。社会人野球7年目のカン・ウンギュ氏(32)は、「最近、野球ファンなら誰も興味を持つ回転数などの具体的な情報を知ることになったのでいいと思う。自分が直さなければならない部分を明確に知ることができ、球速向上にも役立つだろう」と話した。

マウンドの土にも力を入れた。エロンのマウンドには、今年新たにオープンした昌原(チャンウォン)NCパークをはじめ、MLB球場で使われる土が敷かれた。粒子の小さい粘土中心のこの土は、かつて国内球場で使っていた土より硬く、窪みが少ない。カン監督は、「既存の軟らかい土に比べて、踏んだ足の滑りが少ないという違いがある。先進システムとして評価される米国流のマウンドを導入した」と説明した。スイング軌道を分析する「スイングトラッカー」も活用している。バットノブ(ハンドルの端)に装置をつけてスイングをすれば、その動きをブルートゥースで追跡してスイング軌道と正確なヒットポイントを見つける。予想打球速度、飛距離などの情報も提供される。有名プロ選手とのスイング軌道を比較することもできる。

●パターン1万件のドリブルプログラム

プロ級施設の風が社会人野球にだけ吹いているわけではない。韓国プロバスケットボール(KBL)で13年間選手生活を送ったキム・ヒョンジュン代表(38)が昨年、ソウル江南区(カンナムグ)に作った「クアンタム・バスケットボール・トレーニング(クアンタム)」は、プロ選手たちの間で口コミが広がるほど良い施設を備えている。最近も女子プロバスケットボール(WKBL)の代表スター・パク・ジスなどがここを訪れた。

7日訪れたクアンタムで撮影マシン「ドクターディッシュ」を活用した訓練が盛んだった。クアンタムが1000万ウォンをかけて米国から取り寄せたドクターディッシュは、一人でシュートを繰り返して練習できるように設計された装置。自分が希望するパスの距離、方向、間隔などを設定すれば、それに応じて機械がパスをするやりかただ。パターンを入力すれば、一地点ではなく、複数の位置を歩き回りながらシュートの練習をすることもできる。リングの周りにはネットを設置して、ひょっとしてシュートが外れてもボールは再びマシンに入る。キム代表は、「シュートという技術的訓練を越えて繰り返して訓練することが重要であるため、技量向上に大きな助けになる」と説明した。

ドリブルトレーニング機器である「ザ・レーザー」も活用されている。かつてゲームセンターで人気だったリズムアクションゲーム「ポンプ」のように、プログラムの画面に合わせてクロスオーバー、レッグスルードリブル、ターン動作などをすると、モーション認識センサーがこれを認識して、ドリブルの精度を示す。同時に映像を撮影して、自分の姿勢がどうかを直接確認することもできる。ボール2個を活用したり、ドリブルの途中ハードルを飛び越えるなど、プログラムパターンだけで1万種類もある。

一人一人の技量に合わせて機器を活用することで、会員の年齢層もより広くなった。幼少年から70代まで多様だ。昨年から、ここでレッスンを受けているというチェ・ドヨンさん(75)は、「これまで(バスケットボールコートで)肩越しに機嫌を窺いながら学んでいたバスケットボールを、体系的に学ぶことができるのでいい。実は素人がやるドリブルトレーニングというのは目に見えているが、レーザーを使いながら様々なことを試みている」と話した。クアンタムは比較的バスケットボールに触れる機会の少ない女性のために、バスケットボールとフィットネスとを組み合わせたプログラムも運営している。


姜泓求 windup@donga.com