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スイス大使館には庭園の代わりに中庭がある…「韓屋をモチーフにした」思いとは

スイス大使館には庭園の代わりに中庭がある…「韓屋をモチーフにした」思いとは

Posted May. 07, 2019 09:03,   

Updated May. 07, 2019 09:03

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灰色の屋根、ひさし、木製梁、格子柄の窓、コの字の建物、広い庭…。17日に正式オープンするソウル鍾路区敦義門(チョンノグ・トンウィモン)ニュータウンにある駐韓スイス大使館は、韓国国内の外国大使館では初めて韓屋を再解釈した建物として有名だ。スイス政府はなぜ、韓屋をモチーフにした大使館の建物を建てたのだろうか。先月16日、ここで設計を総括したスイスの建築事務所「バークハートパートナー」の建築士ニコラ・ボシェ氏(54)と、駐韓スイス大使Linus von Castelmur(ルイス・フォン・キャステルミュラー)氏(62)に会って、その理由を尋ねた。

ボシェ氏は記者に、「韓屋は住宅の中心部をわざと空けておくことで、居住者同士のコミュニケーションのスペースを設け、庭を囲む複数の建物に統一性まで付与する点を興味深く思った」と説明した。さらに、「韓屋と同じように、スイス大使館の中心空間も庭だ」とし、「事務、ゲストの招待、住宅スペースという大使館内の重要な3つのスペースが有機的につながる建物を設計しようと思ったとき、韓屋が良い参考資料になった」と重ねて強調した。

彼は、2012年にスイス政府が駐韓大使館の設計コンペを実施したとき、これに参加するために韓国の伝統建築について別途に勉強したほど、力を入れたという。プロジェクトの名称も「スイスの韓屋」に決めた。このような情熱のおかげで、70以上のそうそうたるライバルを抑えて、工事を受注することができたと打ち明けた。

敦義門ニュータウンは、かつては背の低い古い洋館が軒を連ねていた都心の立ち遅れた空間だったが、再開発で高層マンションが立ち並んでいる。「新しいマンションに囲まれた韓屋様式の大使館が、かえって周辺の現代的建物とは異質的に見えるのではないか」という質問にボシェ氏は、「この町から消えた小さな家を思い出せる建物を建てたかった」とし、「建物の高さを5 、6階にすることもできたが、どこでも見られる、似たような高層ビルを建てたくなかった」と話した。さらに、「建物の階層が低いと、(オフィスというよりは)家のような感じを与える。大使館の職員に自宅で仕事するような快適さを感じてほしいと思った」と付け加えた。

2016年に赴任したカステルムール大使も、韓国伝統建築に深い関心を示した。彼は、「韓国で一番好きな建築物は、慶尚北道慶州(キョンサンブクド・キョンジュ)の仏国寺(プルグクサ)だ」とし、「最近訪れた慶尚北道安東(アンドン)の屏山(ビョンサン)書院も非常にきれいだった」と称賛した。


ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com