Go to contents

厳弘吉氏のヒューマンスクール、ネパールに未来を植え付ける

厳弘吉氏のヒューマンスクール、ネパールに未来を植え付ける

Posted April. 27, 2019 08:30,   

Updated April. 27, 2019 08:30

한국어

11日から3日間、ネパールの首都カトマンズ市内のタメルパークホテルでは、特別な行事が開かれた。財団法人「厳弘吉(オム・ホンギル)ヒューマン財団」が、2010年からネパールの奥地に建立した17校のヒューマンスクールの校長らと運営委員長たちが、最初のワークショップを行ったのだ。

「うちの学校では、生徒たちが毎日教室に貼っておいた様式に、教師の授業がどうだったのかを巡る満足度をチェックします。最初は教師たちが反対したが、今では生徒と教師共に満足しています」

12日、行事二日目の最初の日程に発表者として出た第12次ヒューマン・スクール(フールムーブ地域)の校長が驚くべき学校運営事例を一つ紹介すると、場内がざわめいた。残りの学校も、それぞれの成果を我先に発表した。第9次ヒューマンスクール(マカルー)校長は、「この学校ができた後、周辺の私立学校1校が廃校となり、130人の生徒が転校してきた」と誇らしげに語った。第7次ヒューマンスクール(タトパニ)校長は、「パソコン教室でヒューマンスクール周辺の10校の講義を聞くことができようになった。他の学校のカリキュラムを見て、よりレベルの高いプログラムについて悩むことができるようになった」と語った。第14次ヒューマン・スクール(デュリケル)校長は「成績順位ではなく、人間性が優先だということについて、生徒と教師が心置きなく考えを共有するカリキュラムを正式授業として作った。ネパール代表のリーダーを養成する名門学校にしたい」と熱意を見せた。

●ネパール奥地の生徒たちに「自分の夢」を見つけさせる

同日午後、ワークショップのニュースを聞いて会場を訪れたヒューマン・スクールの卒業生プレラナ・チャウダリーさん(20・女)は、ネパールでも最も立ち遅れた乾地に建てられた第11次ヒューマンスクールに通いながら夢ができた。現在は、ネパールの名門国立大学マンモハン記念大学の看護学科に在学中のチャウダリーさんは、「今日は、患者の気道にパイプを差し込んで食べ物を投入する実習をした」とし、「大学を卒業すれば、1、2年間病院で勤務した後、臨床経験を生かして修士課程に進みたい」と笑った。

厳弘吉ヒューマン財団のイ・ウイジェ・ネパール支部長(元山岳連盟事務局長)は、「一生食べていくことだけを心配していた『教育死角地帯』出身の学生が、国の人材になりたいと学業に集中するのはかなり異例なことだ。このこと自体がヒューマンスクールが目指すモデルだ」と語った。

ヒューマンスクールの生徒たちに実質的な支援を行い、学校の中長期的開発計画を設計する地元諮問委員会が今年できたことも、可視的成果と言える。ネパールの教育、文化観光、航空事業の領域で大きな影響力を持つ5人の諮問委員が委員会を率いている。ネパール教育界の大物ゴンガラル・ツーラドル元ネパール教育長官は、諮問委員としてネパール教育がこれまで見過ごしてきた生徒カスタマイズ教育、専門人材育成などと関連して、ヒューマンスクールがこれを先導的に試みる作業を事実上取り仕切っている。

ゴンガラル氏は、「よく管理された(Managed)基本教育に、専門的な(Something Extra)教育を通じて何が正しくて何が正しくないかをわきまえ、果敢に批判できる人材を育てなければならない。ヒューマンスクールがこの宿題を解いているが、今後、ネパール教育の良い例になるだろう」と自信を見せた。

●一緒にネパール教育の突破口を見つける

国の都合上、食べて生きることに追われるので、生徒たちが自分が希望する分野で地域社会と国に貢献する「好循環」を期待するのが容易でないことが、ネパール教育の最大の悩みだ。今回のワークショップ行事に、ネパール教育分野の政府関係者と学者たちが大勢参加して講義を自任し、成功事例に耳を傾けたのも、ヒューマンスクールを通じて何か突破口を見つけることができるだろうという期待からだ。

初日午後、講義に出たドゥルバー・ラズ・レグミ・ネパール教育省副副次官(国際部長)は、ヒューマン・スクール校長たちに「学校ならではのカリキュラムを作った校長は手を挙げて」と声をかけて、大多数が手を挙げるとびっくりした。村に竹が多いという生徒の話を聞いて、すぐに木でバスケットや食器の作り方を学ぶカリキュラムを作ったというとある校長の言葉には感心した。彼は、「ネパールの既存の学校とは異なる視点を持っていること自体が新鮮だ。すぐに必要でありながら専門的な学びの機会を常に提供したいという姿勢は、ネパール教育界が真剣に受け止めなければならない部分と言える」と評価した。

二日目の行事に参加したディ・パック・サルマ教育省副次官(教育人材部副本部長)も、ヒューマンスクール校長らとの議論を通じて、彼らの哲学から深い印象を受けた。「ネパールで切実な教育プランとは?」の質問で回答を誘導していた彼は、「学校、教師、保護者が生徒の夢を見つけさせることだ」という校長の説明を聞いて、しばらく言葉を詰まらせた。

ゴンガラル氏は、「学校が生徒を中心に置いて、よく整えられた基本教育と専門教育システムをきちんと構築すれば、最終的にはやりたいことをやる生徒が増えるだろうという希望を持つようになった」と話した。彼は、「現在、国の総予算の10%を教育に使っているが、今後は17%まで増やさなければならず、特にネパールの強みである水力発電と農業、観光分野の人材育成に集中的に投資しなければならないという所信をヒューマン・スクールワークショップを通じてなおさら確実に感じた。10年間ヒューマンスクールの充実化を図りたいと約束した厳弘吉隊長が私に目標を与えた。感謝する」と付け加えた。


兪載泳 elegant@donga.com