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北朝鮮に石油を供給した韓国船舶、「制裁の穴」では発言権はない

北朝鮮に石油を供給した韓国船舶、「制裁の穴」では発言権はない

Posted April. 04, 2019 07:58,   

Updated April. 04, 2019 07:59

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韓国籍のタンカーが石油製品を公海上で北朝鮮に供給した疑いで、6ヵ月間、釜山(プサン)港で抑留されていることが確認された。このタンカーは2017年、2度にわたって4300トンの清製油を北朝鮮に渡したという。韓国船舶が瀬取りの疑いで摘発され調査を受けるのは初めて。米国の独自制裁の対象に指定されたロシア船舶は、浦項(ポハン)港で抑留されているという。

様々な制裁違反の疑いで韓国の名前が出ていることで、韓国政府の制裁履行の意思に対する国際社会の疑念は大きくなるほかない。韓国はすでに北朝鮮産石炭の国内搬入が確認され、国連の北朝鮮制裁委員会の年次報告書に不名誉にも名前が上がったことがある。米財務省が先月発表した瀬取り疑惑船舶の名簿にも韓国船舶の名前が含まれた。今回抑留され調査を受けるタンカーも、米国の情報で分かったという。

米国は、2月のハノイでの米朝首脳会談の決裂後、制裁の取り締まりを強化し、圧力基調を継続している。米国は、制裁こそ北朝鮮の非核化を強制する最も効果的な手段だと考えている。北朝鮮がハノイ会談で制裁解除にこだわったのも、それだけ北朝鮮政権が制裁で苦痛を受けている証拠でもある。ポンペオ国務長官は2日、「制裁が北朝鮮の非核化の時刻表を早めるだろう」と強調した。

このような状況で、同盟国である韓国で制裁違反が摘発されたため、韓国の履行意思は再び疑いをかけられることになった。韓国政府は、「全世界で制裁違反疑いの船舶を抑留して調査する国は韓国だけ」だとし、最も忠実な履行国家だと強調するが、韓国の船舶会社に対して事前に指導を行い、徹底して監視したのか疑わしい。これでは国際社会で韓半島問題の当事者として発言権も持つことができるだろうか。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、ワシントンでトランプ大統領と会って、停滞した米朝交渉の再開について議論する。しかし、身内の取り締まりもできない韓国の大統領をトランプ政権はどう見るだろうか。さらに、仲裁の役割をすると言って北朝鮮だけを助けるのかという厳しい視線を受けている。制裁違反船舶に対する徹底した調査と処理を通じて「制裁の穴」という汚名を拭い、北朝鮮にも非核化なくして迂迴路はあり得ないという明確なメッセージを伝えなければならない。