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ショパンが「死の賛美」の尹心悳に会って曲を書いたよう

ショパンが「死の賛美」の尹心悳に会って曲を書いたよう

Posted March. 08, 2019 08:16,   

Updated March. 08, 2019 08:16

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どん、重い低音で始まり、悲劇を予告するかのようにため息を吐き出す前奏。回想するような装飾的な音型。続いて、耳に慣れた旋律が緊迫かつ鈍重な左手のハーモニーの上に流れる。イヴァノヴィチの「ドナウ川のさざ波」。日本植民地時代にソプラノの尹心悳(ユン・シムドク、1897~1926)が歌った「死の賛美」として知られた旋律だ。「荒野を走る人生よ、あなたは何を探してきたの…」

ピアニストのパク・ジョンフンに15日、ソウル瑞草区(ソチョグ)にあるペリジーホールで演奏する自作曲「尹心悳の死の賛美のテーマによるショパンスタイルのバラード」を聞かせてもらった。実現できない愛に絶望して、暗い海に飛び込もうとする尹心悳をショパンが会って書いたような劇的なピアノ曲が流れた。なぜ尹心悳だろうか。

「ソナタ2番をはじめとするショパンの曲でプログラムを構成して見ると、イヴァノヴィチのこの旋律がぴったりの雰囲気を与えるという気がしました。昨年テレビで尹心悳に関するドラマを印象的に見たこともありましてね。だからショパンバラード1番のスタイルを取って曲を作りました」

今回の演奏会は、2017年の「Back to Bach」を皮切りに10回公演する「パク・ジョンフン新作のリサイタルシリーズ」の5回目のショパン編だ。「作曲するピアニスト」として知られている彼は、このシリーズで、常に自分のスタイルの曲を披露してきた。バッハの時は、バッハインベンションをロマン主義スタイルで編曲して演奏し、ベートーベンのときは「君を愛している」(Ich liebe dich)のテーマによる変奏曲を引いた。シューマンのリサイタルでは、シューマンの狂気に着目して、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を自分ならではのスタイルで編曲演奏した。

「今後も自分ならではの色が明らかになった曲をもっと書くつもりです。年齢とともに作曲で表現したいことが多くてね。シューマンのリサイタルの時に演奏した『三つの短い幻想曲、エドガー・アラン・ポーを読む』のような曲は、他の誰のためのオマージュなしに、自分の内面だけを表現した作品です」

彼は、演奏界の中心から逸脱しなかった。芸術の殿堂の交響曲祭りに4回共演者として立った。それとともに、大衆との接点が最も多彩なピアニストに挙げられる。テレビの自然ドキュメンタリー音楽を制作し、複数の放送局のドラマで音楽編曲と演奏を引き受け、ピアノ教授、指揮者役として出演した。

「30代前半に地方巡回公演を行ったことがあります。ピアノコンサートに初めて来る観客がほとんどだったが、熱心に聞き、純粋に反応を示しました。その時決めました。初めて経験する人も音楽が好きになれるように、何でもすると」

「パク・ジョンフンの新作リサイタルシリーズV.ショパンと自作のピアノ音楽」は、15日午後8時、ソウル瑞草区ペリジーホールで開かれる。2万5000~5万ウォン。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com