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非核化の離脱を示唆したトランプ氏…全方位外交で米朝「拙速合意」を阻止すべきだ

非核化の離脱を示唆したトランプ氏…全方位外交で米朝「拙速合意」を阻止すべきだ

Posted February. 18, 2019 07:52,   

Updated February. 18, 2019 07:52

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トランプ米大統領は15日、記者会見で、26、27日に行われる2回目の米朝首脳会談に関連して、「急いでいない。(核やミサイルの)実験がなければいい」と述べた。今回の首脳会談で、北朝鮮の完全な非核化に向けた行程表よりも米本土を脅かす北朝鮮の核・ミサイル実験だけ阻止する線で合意することが目標であることを示唆したのだ。これは、トランプ氏が北朝鮮がすでに保有している核弾頭・物質の廃棄を含む完全な非核化ではなく、将来の核開発能力および大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄に目標を下げる可能性があるという国際社会の観測が現実になるのではないかという憂慮を生んでいる。

トランプ氏が、「2回目の会談も1回目のように成功すればいい」と楽観的に展望しながらも、交渉結果に対する期待値をできるだけ下げようとするのは、実務協議段階で具体的な合意に至らず難航が続いていることを反映する。北朝鮮側は、米国務省のビーガン北朝鮮政策特別代表が詳細な非核化の行程表を提示したにもかかわらず、これに対する決定を先送りして返答していない。

むろん、トランプ氏の発言は、今回はひとまず核施設の廃棄とICBM問題などで顕著な成果を出し、完全な非核化は時間をかけて徐々に勝ち取るという段階的アプローチの方針を明らかにしたと解釈することができる。しかし、今回、制裁緩和などのアメが与えられる場合、北朝鮮を牽引する動力は失速し、結局は完全な非核化は実現不可能な目標になる危険が大きい。結果的に状況がどちらに流れようと、トランプ氏は米国民が最も憂慮する北朝鮮ミサイルの米本土攻撃の可能性だけ遮断すれば、外交的成功という論理を広め、本格的な再選レースに入るという構想なのだろう。

 

北朝鮮の核を頭上に置いて暮らさなければならない韓国の目標は明白でなければならない。今回の会談で、過去の核放棄まで含めて核物質・兵器の除去に向けた具体的な行程表を作り出すことができなければ、完全な非核化の大長征は失敗に終わるかも知れない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、米朝会談の前にトランプ氏と電話会談を行い、主要議題について意見を調整する計画だ。米朝会談が、米朝間の利害関係だけに流れるなら、1回目のシンガポール会談のように非核化の第一歩も踏み出せない可能性がある。政府は、米朝の拙速交渉の可能性を防ぐために、米議会やメディア、シンクタンクなど全方向で外交戦を繰り広げなければならない。このような状況で、野次馬のように傍観者になるのは職務放棄だ。