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若者‐難民‐環境を前面に出したダボスフォーラム

若者‐難民‐環境を前面に出したダボスフォーラム

Posted January. 25, 2019 08:30,   

Updated January. 25, 2019 08:30

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スイスの山岳リゾート、ダボスのホテルの宿泊料は世界経済フォーラム(WEF)が開かれる22~25日に1日1千万ウォンまで跳ね上がる。参加費は最高60万ドル(約6億7800万ウォン)にのぼる。様々な理由で各国の首脳や最高経営責任者(CEO)など3千人余りが集まるWEFは「億万長者の遊び場」、「監視のないロビーの場」などの非難も受けた。

WEF会長のクラウス・シュワブ氏は22日、開幕の演説で、「グローバリゼーション4.0は、人間中心でなければならない。もはや後れを取った人をそのままにしておくことはできない」とし、人間と環境、若者の重要性を強調した。今年のテーマは「グローバリゼーション4.0、第4次産業革命時代のグローバリゼーション構造」だ。人工知能(AI)やロボットなどで第4次産業革命時代に発生しうる大量失業と人間疎外、環境問題への戦略が議論される。「一般的な」世の中へのアクセシビリティを強化しようという試みだ。


●若者、難民、環境を掲げたダボス

WEFは今年初めて、フォーラム共同議長7人のうち6人が30代未満となった。スイスの国連青年代表として活動したノラ・ベロウバさん、米フードバンクを運営するジュリア・ラスカムさん、アフリカ難民救護活動を行うケニア避難キャンプ議長のモハメド・ハッサンさんらが共同議長を務めた。シュワブ氏は、「私たちは若者の声を聞かなければならない」とし、「今年WEFがすべきこと」と強調した。昨年には共同議長7人すべて女性が選ばれた。

WEFは、ユニセフとともに困難な若者の現実を議論する。ユニセフによると、世界の若者7100万人は雇用がなく、1億5千万人は1日3ドル以下の金で生活し、青少年2億人は学校に通っていない。WEFとユニセフが昨年12月、164ヵ国35歳未満1万人を対象に質問調査を行った結果、雇用(35%)と教育(26%)問題が最も重要だと答えた。

環境も今年の核心アジェンダ。今年WEFが選んだ5大グローバルリスクに気象異変(1位)、気候変動緩和の失敗(2位)、自然災害(3位)などの環境問題がトップを占めた。WEFはイラクで初めて環境にやさしい建築コンサルティングを導入したバシマ・アプドゥルラフマンさんを共同議長に選任した。WEF関連本を出したストックホルム大学のエイドリアン・ソアバム教授は、「WEFのイデオロギーが、1990年代初めの自由貿易とグローバリゼーションの増進から社会を基盤とした問題解決に変わりつつある」と指摘した。


●今年も「トランプ氏非難の場」

世界の主要首脳たちは演説で、トランプ米大統領の保護主義と国家主義を批判した。トランプ氏は米連邦政府機関の一時閉鎖を理由に参加しなかった。ドイツのメルケル首相は23日、「戦後の世界秩序で確立された多国間主義を通じて各国がウィンウィンの結果を作らなければならない」とし、「国家利益は他国を考慮して追求しなければならない」と主張した。前日、ポンペオ米国務長官がテレビ中継の演説で言及した「国家は重要だ。国際機関は、各国の指導者が実行するほどは人々のためには立ち上がらない」という発言に反論したのだ。安倍晋三首相は、国際貿易の体制について、「日本は自由で開かれたルールに基づく国際秩序を保全する決意を固め、強化に打ち込む」と述べた。


董正民 ditto@donga.com