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最悪の「合意なし離脱」まで念頭に置いて対策を立てなければ

最悪の「合意なし離脱」まで念頭に置いて対策を立てなければ

Posted January. 17, 2019 08:53,   

Updated January. 17, 2019 08:53

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英政府が欧州連合(EU)と合意した「EU離脱協定案」が15日、下院で反対432、賛成202の大差で否決された。否決直後、野党の労働党がメイ政府に対する不信任案を提出し、16日に採決が始まるなど、英国の政治状況は一寸先も見えない混乱に陥った。英国は最悪の場合、リスボン条約によって離脱期限の3月29日に何の対策もなくEUから出て行かなければならない「合意なし離脱(No Deal Brexit)」を迎える恐れもある。

英国は、欧州で韓国企業の投資がオランダに続き2番目に多く、年間の貿易規模が144億ドル(約16兆ウォン)にのぼる重要な経済パートナーだ。英国がEUから離脱すれば、これまで韓EU自由貿易協定(FTA)によって無関税で輸出した自動車に10%の関税がつくことになり、現地に進出した企業の実績が悪化する恐れがある。当初、合意案は2020年末までは現在のEU単一市場の中に留まるとしたが、合意なし離脱になれば、すぐに関税を払うことになり、貿易の混乱はさらに大きくなる。ロンドンは世界3大金融中心地の一つで、今後の進行状況によって国際金融市場が不安になり、英国と欧州の経済が悪化して韓国に大きな影響を及ぼすことが懸念される。

幸い、今回の協定案否決がある程度予想された結果であるからか、否決直後の国際金融市場の反応は静かだった。しかし、協定案否決によって英国と欧州の政治外交シナリオが不透明になり、それにより世界金融市場および経済状況も不確実性がさらに強まった。

市場では、米トランプ大統領の米国第一主義に続き、英国の協定案否決で新保護貿易主義が猛威を振るうという不安感まで漂う。政府と金融当局は、金融市場に対するモニタリングを強化し、英国のEU離脱が韓国経済に及ぼす影響に先制的に対処しなければならない。韓英FTA締結にスピードをつけることはもとより、中長期的に英国のEU離脱を韓国企業が英国と欧州でそれぞれ市場占有率を高める機会にできるよう官民が緊密に協力しなければならない。