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EUの儀典順位、ビリに格下げしたトランプ氏

EUの儀典順位、ビリに格下げしたトランプ氏

Posted January. 10, 2019 08:42,   

Updated January. 10, 2019 08:42

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トランプ米政権が先月、何の通知もなく欧州連合(EU)の外交的地位を大幅に格下げ、論議を呼んでいる。米国第一主義と保護貿易を主張するトランプ大統領は、多国間主義と自由主義を強調するEUを批判してきた。英国のEU離脱を賛成し、EUと対立してきた。

ドイツのドイチェ・ヴェレ放送は8日(現地時間)、アイルランド出身のEUのデービッド・オサリバン駐米大使が昨年12月5日、ブッシュ元米大統領の葬儀に参列した際、EUの外交的地位が降格されたことを知ったと報じた。

外交儀典および慣例によると、米政府の公式行事で各国大使の呼称の順は、駐米大使を務めた期間によって決まる。つまり、1997年から葬儀の時までの21年間、大使を務めているパラオ大使が約150人の各国駐米大使の中で最初に呼ばれなければならない。また、2014年11月から駐米大使を務めているオサリバン氏は、27番目に呼ばれなければならない。

しかし、葬儀でオサリバン氏は150ヵ国の大使の中で最後に名前が呼ばれた。さらに、今月末に開かれる米国務省の行事でもEU大使が外された。誰が見ても露骨な冷遇であることが明らかな米政府のこのような態度は、オバマ政権の時とは対照的だと、外信は分析した。オバマ政権は2016年9月、EUを個別国家と同じ等級に格上げした。

 

米国務省は後日、「EUに通知することをうっかりしていた。儀典のプロトコールを整理する次元で下した決定だった」と苦しい釈明をした。しかし、EUのマヤ・コジアンチッチ報道官は、「私たちは事前にいかなる通知も受けていない」と不満を示した。米国で活動中のあるEU外交官も、「儀典問題ではなく政治的動機による行為であることは明確」と不快感を示した。

これと関連して、米紙ニューヨーク・タイムズは、EUの強力な抗議でEU代表部に対する米政権の外交地位の格下げ措置が一時的に覆されたが、今後どのような地位を与えるかは、まだ不明だと報じた。

実際、米高官らは、EUの存在価値を蔑視する発言をしている。昨年12月4日、EU本部があるベルギー・ブリュッセルを訪れたポンペオ米国務長官は、「EUが各加盟国および国民の利益よりもブリュッセルの官僚の利益を先に考えているのではないか」と主張した。

 

トランプ氏も昨年7月、「貿易の面でEUは米国の敵」と主張した。米政府は現在、米-EU間の貿易収支の不均衡を理由に、EU製自動車の輸入関税を大幅に引き上げると警告している。EUのセシリア・マルムストロム通商担当欧州委員はこの問題を交渉するためにワシントンに来ている。


董正民 ditto@donga.com