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陸地に続き海上にも壁、ガザ地区は「屋根のない監獄」

陸地に続き海上にも壁、ガザ地区は「屋根のない監獄」

Posted January. 04, 2019 07:36,   

Updated January. 04, 2019 07:36

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パレスチナのガザ地区を封じ込めるためのイスラエルの「海の壁」建設が事実上、終わった。イスラエル国防省が、パレスチナ武装組織ハマスの海上侵入を防ぐために壁の建設を始めて約7ヵ月ぶり。これで「天井のない監獄」、「世界で最大の監獄」と呼ばれるガザ地区の孤立がさらに深刻になると予想される。

チャンネル10、タイム・オブ・イスラエルなどイスラエル現地メディアは1日、「ハマスの攻撃を防ぐための海の壁がほぼ完成された」と報じた。

ガザ地区の北側と隣り合うイスラエルの都市守るこの壁は、防波堤のように地中海に200メートほど伸びている。海上に50メートほどの幅で石を積み、その上に「スマートフェンス」と呼ばれる6メートの高さの鉄条網を立てた。壁のあちこちにセンサーと地震感知器も設置された。

イスラエル軍は2007年6月、ガザ地区の封鎖を始めて以降、軍艦などを利用して海上地域を監視してきた。しかし、ハマス特殊隊員は、14年の「イスラエル-パレスチナ50日戦争」で、水深が浅くて軍艦が進入できない海岸地域の警戒が緩い点を利用して侵入を試みた。

驚いたイスラエルは急いで壁の建設に乗り出した。昨年5月、イスラエルのリーベルマン国防長官は、「海の壁は地中海を通じてイスラエルに進入しようとするハマスのすべての試みを効果的に阻止する」とし、「世界で見られない特別な壁」と自信を示した。

海上の壁の完成で、横10キロ、縦40キロの長方形の形のガザ地区は事実上、空の道を除いてすべての通路が塞がれた「監獄」になった。イスラエルは昨年初めからはトンネルを利用した奇襲侵入を阻止するためにガザに長さ65キロにのぼるコンクリートの地下壁も作っている。約7500億ウォンかかる地下壁の建設も今年下半期(7~12月)に完成される。

 

壁の建設にもかかわらず、イスラエルとハマスの対立はなくなる兆しが見えない。パレスチナ人は昨年3月からガザ地区の分離壁の付近で、「偉大な帰還行進」デモを行い、イスラエル占領政策に抗議した。イスラエル軍は戦闘機や戦車などを使って、ガザ地区を空爆し、ハマスもロケット砲と迫撃砲弾で対抗した。昨年11月、エジプトの仲裁で双方が長期休戦に合意したが、今この瞬間も大小の流血衝突が起こっている。

 

パレスチナ非政府機構によると、昨年ガザ地区とヨルダン西岸地区でイスラエル軍によって死亡したパレスチナ住民は262人。17年に比べて2倍増加した。同期間にイスラエル軍50人もパレスチナの攻撃で死亡した。

世界銀行の報告書によると、ガザ地区内のパレスチナ住民のうち80%がいかなる形であれ社会的支援や国際団体の救護品に依存して生活している。1人当たりの年間所得はイスラエル封鎖後毎年減少し、昨年1826ドル(約206万ウォン)まで下がった。国連などがガザ地区内で運営する20余りの医療施設は、イスラエル軍と大小の衝突で損傷し、破壊された。残っている医療施設も電力不足が深刻だ。


徐東一 dong@donga.com