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見合された最低賃金施行令案の審議、「テンポ調節」どころか加速させている

見合された最低賃金施行令案の審議、「テンポ調節」どころか加速させている

Posted December. 25, 2018 08:00,   

Updated December. 25, 2018 08:00

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昨日李洛淵(イ・ナギョン)首相主宰で開かれた閣議では、雇用部が提出した最低賃金法施行令改正案の審議を見合わせて、今月31日の今年最後の閣議に委ねた。当初雇用部がまとめた改正案は、労働時間の基準を現行の月174時間から「法定週休時間」(日曜日と公休日)と労使が合意した「約定週休時間」(土曜日)を合わせて、最大で月243時間とするものだった。同日閣議では、雇用部に対して約定週休時間を外して、「法定有給休務時間」だけを含む修正案をまとめて再び立法予告して再上程するよう要求した。

最低賃金は1時間当たりで計算されるので、労働時間が増えれば、その分だけ賃金を引き上げてこそ最低賃金の基準に合わせることができる。約定週休時間を外しても、月間労働時間は209時間となるため、最低賃金基準が20%も引き上げられることになる。現政府に入ってすでに二度に渡って30%上昇しており、来年からは50%の最低賃金引き上げの効果が発生することになる。この程度なら、財界が昨日、「大変落ち込んでおり、悔しい気さえする」という公式立場を出したのが、決して大袈裟な表現だとは思えない。

最低賃金が30%上昇しただけで、すでに雇用惨事、低所得層の所得減少、自営業者の大量廃業など、その副作用が続出している。これを受け、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、わずか一週間前の17日の拡大経済閣僚会議でテンポ調節論を示唆した。「最低賃金引き上げのような新しい経済政策は、経済・社会の受け入れ可能性と利害関係者の立場を考慮して、国民の共感の中で推進することが重要だ」とし、「必要な場合は補足措置も一緒に講じたい」と語った。ところが、政府が今進めている最低賃金法の施行令改正案は、最低賃金引き上げに歯止めをかけるのではなく、逆にアクセルペダルを踏むものである。

最高裁の判例は一貫して、実際に働いた時間だけを労働時間と見ている。雇用部は判例に従うよりもむしろ施行令の改正作業を通じて、今後、裁判所の判決が変わることを望んでいる。最低賃金の算定に含まれる労働時間の基準を変更し、強制することは、最低賃金の算入範囲と同じくらい重大な事案だ。今後これ以上議論がないように、算入範囲を国会で決めるように、労働時間の基準も雇用部が司法部の判例まで破りながら勝手に変えることができないように、国会で決めるのが望ましい。