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カリフォルニア州ではなぜ超大型山火事が頻繁に起きるのか

カリフォルニア州ではなぜ超大型山火事が頻繁に起きるのか

Posted November. 17, 2018 08:26,   

Updated November. 17, 2018 08:26

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米カリフォルニア州南部のメンドシーノで8月に被害面積基準で州史上最悪の「双子の山火事」が起きてから2ヶ月経った8日から3カ所で同時多発的に起きた「トリプル山火事」は、人命被害の規模では州火災史上最悪と言える。

AP通信などの外信によると、北部ビュート郡のキャンプファイアと南部のマリブ、ベンチュラで8日から相次いで発生した「トリプル山火事」は、16日現在、880平方キロメートル以上の山林と住宅街を燃やした。ソウル全体面積(605平方キロメートル)の1.5倍近い規模だ。特に60人あまりが死亡し、600人余りが行方不明になったうえ、行方不明者の多くは80代以上の高齢者であり、人命被害はさらに増えると予想される。これまで、カリフォルニア州で最悪の人命被害が出た山火事は、1933年にロスアンジェルスで発生した「グリーンピースファイア」で29人が亡くなった。

カリフォルニア南部のサンタバーバラとベンチュラでは、昨年12月も「メンドシーノ双子の山火事」と同様の面積を燃やす大山火事が発生した。カリフォルニア州では、毎年平均2500件余りの大小の山火事が発生した。米国の超大型山火事はなぜ、カリフォルニア州で発生するだろうか。

カリフォルニアは雨季の秋と冬は雨が降るが、乾季の夏は乾いた天気が続く。猛暑の中で木と草が枯れてしまい、火災が起きる可能性が高まる。さらに、火災に脆弱な木造の田園住宅が続々と建てられたことも、火災をさらに拡大させたという分析が出ている。

山火事が発生する自然的条件の一つとして「サンタ・アナの風」が挙げられる。10月から翌年4月まで米モハーベ砂漠と西部内陸のグレートベースン(大盆地)で形成された高気圧が、シエラネバダ山脈を越えてきて、乾いた強い突風に変わって、太平洋の海岸に吹く季節風だ。サンタアナ風は小さな火種も大きな火災に拡大させる役割もする。通常時速50~70キロの速度で強風が吹いて、炎が一瞬のうちに広がり、消防当局は消火活動に苦労する。

「地球温暖化」も、最近相次ぐ大型山火事の原因という意見もある。気候変動センター開発途上国協力事業チームのファン・ヨンハ研究員は、「破壊的な森林火災と気候変動は切り離せない関係にある」と分析した。温暖化などの気候変動がなかった時より、平均気温が1.1~1.6も高まったことで、降水量は減り、山火事はさらに頻繁に起きるという。カナダや欧州で発生した山火事も、気候変動と関連があるという分析だ。カナダのブリティッシュ・コロンビア州でも8月中に山火事が七回も発生した。

英国オックスフォード大学の研究によると、気候変動が原因で、欧州で発生する猛暑の可能性が2倍以上も増えた。これにより、木の葉が枯れて山火事の可能性をさらに高めたのだ。ファン研究員は、「地球温暖化の速度を減速させなければ、今年よりもっと多い災害が起きざるを得ない」と話した。

カリフォルニア州の気候条件は、一定の時期は山火事に適した条件を備えているうえ、気候変動と人の居住地拡大などの「人災要素」まで加わっている。したがって山火事が発生する時期も、今年8月の「双子の山火事」のように、乾季でないときも発生し、その被害規模もさらに大きくなっている。

州当局によると、1932年から今年まで、カリフォルニア州で発生した大規模な山火事10件のうち9件は、2000年以降に発生し、5件は2010年以降だった。米気象当局は、史上10大の山火事のうち4件が、この5年間に起きたと発表した。


黃泰勳 beetlez@donga.com