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パーキンソン病、幹細胞治療の新しい道が開かれる

パーキンソン病、幹細胞治療の新しい道が開かれる

Posted November. 12, 2018 08:41,   

Updated November. 12, 2018 08:41

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日本京都大学の高橋淳教授チームは、「人工多能性幹細胞(iPS)で作った神経細胞を、パーキンソン病を患っている50代の患者の脳に注入する実験に成功した」と9日、地元メディアを通じて明らかにした。人間の神経細胞を人工的に作って患者の脳に注入したのである。パーキンソン病に幹細胞治療を試みたのは世界で初めてだ。

研究チームまず、健康な人の体細胞から得たiPSを再分化させて作った神経細胞240万個を、患者の左側の頭蓋骨から特殊注射器で注入した。1ヶ月が過ぎたが、まだ副作用はないことが分かった。

iPSは脊髄、網膜、肝臓など、既存の医療技術では治療が難しかった難病の部位に注入すると、新しい細胞へと育つ。黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大学教授チームが開発したと主張していた「カスタム胚性幹細胞技術」と似ているが、卵子が必要ないので倫理的問題から自由である。ただ、万能性幹細胞は、体内で癌細胞に変わる恐れがあるので、実用化のネックとなってきた。

日本の研究チームは、iPSを最初から研究室で神経細胞に分化させた後、再び体内に注入する方法で癌の発生リスクを減らした。幹細胞の専門企業「ステムラボ」のオ・ドンフン代表は、「iPSは、自分の体から得た細胞を分化させて使う『自家移植』が基本であるが、今回は健康な他人の細胞を利用した」とし、「癌発生の懸念が減らすことができるし、大量生産にも有利だ」と話した。

問題は、他人の神経細胞であるため、患者が長期間免疫抑制剤を服用しなければならない。細胞内小器官である「ミトコンドリア」で発生する一部の拒否反応は完全に避けることが難しく、研究チームも経過を見ている。研究チームは、副作用について綿密に調べたあと、6ヶ月後に右脳に再び神経細胞を注入する計画だ。


チョン・スンミン記者 enhanced@donga.com