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歴史都市京都、大学と手を握って「グローバル教育都市」跳躍を夢見る

歴史都市京都、大学と手を握って「グローバル教育都市」跳躍を夢見る

Posted November. 06, 2018 09:04,   

Updated November. 06, 2018 09:19

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[大学が活性化した都市、現場を行く] 京都市の共生協力

先月18日、京都市の河原町駅付近は歴史都市の秋を楽しむ人で溢れた。現代式の建物の間に古都のたたずまいが残る寺院や狭い路地のカフェは、一幅の絵のようだった。

京都は年間5千万人を超える観光客が訪れる歴史都市だ。794年に桓武天皇が首都と定めて以降、1868年の明治維新で東京に遷都するまで政治経済の中心だった。平安神宮など約1500の寺院や約200の神社など古きを大切にする観光の名所とされる。

京都は日本第一の歴史文化都市というだけでも多くの観光客が集まるが、市と大学、企業が有機的な協力を通じて地域経済を活性化する新たな跳躍を準備している。京都市と市内の主要大学が参加した公益財団法人「大学コンソーシアム京都」が5年間行っている「大学のまち京都・学生のまち京都推進計画2014-2018」(京都計画)が代表的な都市と大学の共生協力の事例だ。

●大学と企業が連携して「グローバル京都」推進

「京都計画」で進めるプロジェクトは、京都で勉強する学生が魅力を実感できるように大学施設を整備し、多様な学生活動ができるよう支援する。日本だけでなくグローバルな人材を誘致することにも乗り出した。外国に都市と大学を伝える広告を出し、留学生支援の機能も強化した。

卒業後の進路指導や社会進出を支援することはもちろんのこと。任天堂や京セラのような日本企業や京都を拠点に置くグローバル企業と短期インターン制度を運営している。学生たちは2、3週間のインターンシップを通じて、様々な企業を経験し、就職の機会を探す。京都市は約200社の大企業や中小企業で構成された「人材確保、定着支援事業協議会」と連携して就業情報のデータを構築し、学生と結んでいる。

市は大学と連携して京都の経済と文化産業の活性化も図っている。大学が持つ研究開発能力と地域コミュニティを融合し、伝統文化産業を継承・発展させるために努める。毎年10月、平安神宮、岡崎公園付近で行われる「京都学生祭典」もこのような趣旨で開催される。大学別にこの1年間で行われた様々な地域活動をダンスや公演で披露する。京都地域の大学が参加するこの祭典には今年15万人が参加した。

京都市大学政策課の山下信一課長は、「京都内38の大学が地域発展に貢献し、大学も発展できるよう市で支援している」と話した。

京都市は、大学卒業後に多様な選択ができるよう就職相談やキャリア管理、京都の企業の訪問なども支援する。産学共同研究プロジェクトで「成長産業創造センター」も組織した。山下氏は、「大学、企業と力を合わせて進めているので、京都の経済、文化価値を高める努力は大きな実を結ぶと考えている」と話した。

●文化財教育、外国人誘致トップの立命館大学

立命館大学は、1900年に文部省の官僚が創設した京都法政学校だった。その前身は明治時代の政治家、西園寺公望が1869年に京都皇宮の中に建てた私塾だ。

京都市内の北西にあるメインキャンパスの衣笠と大阪府茨木市、滋賀県に3つのキャンパスを持つ立命館大学は、京都の文化財を研究・教育し、外国人学生の受け入れにも積極的だ。約3万5千人の在学生のうち外国人学生(学部と大学院生を含む)は約2100人で、韓国人学生も約370人にのぼる。

同大学の村田陽一社会連携グループ次長は、「大学生の文化遺産教育を地域の寺院などと連携し、観光活性化を図っている」と話した。

立命館大学は2015年、全国で初めて「世界遺産」の授業を開設した。この地域の10の大学は、清水寺など17の寺院、神社と協力して現場で文化遺産に関する講義を聴くことで単位も取得できるようにする。神社の職員から説明を聞き、広報する写真と映像を製作することで単位を取得することができる。

京都の消えた遺産を蘇らせる作業にも積極的だ。平安京の羅城門は816年に台風、980年には嵐で2度も崩壊した。その羅城門が最近、模型で復活した。1995年の平安建都1200年を記念して専門家の技術を総動員して実物の大きさの10分の1で復元された。そして2016年11月21日、京都駅付近で羅城門模型設置記念式が行われた。村田氏は、「長期的に羅城門を実物の大きさである2階建ての横35メートル、縦24メートルの原寸大で復元し、京都の入口に建設するプロジェクトを構想中」と話した。

立命館大学は、米アメリカン大学、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学、オーストラリア国立大学などと交換留学プログラムも行っている。同大学の林恩廷(イム・ウンジョン)教授(国際関係学部)は、「文化都市である京都の長所を前面に出し、多くの外国人学生を誘致する計画だ」とし、「京都は古都という自負心が強く、地方自治体と大学、地域住民が前向きだ」と話した。

▼宇宙船研究とベンチャーの育成で都市も大学も活気▼

地方と都市部の大学の連携例

日本で京都のほかにも、地域経済も生かし大学も発展させる地方都市と大との協業事例は多い。

東京大学宇宙線研究所は昨年1月、岐阜県飛騨市と協定を結んだ。宇宙線研究所所長は2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章教授。協定は長期的に宇宙線研究施設を拡充し、ノーベル賞受賞者をさらに輩出するという目標も含んでいる。両者は最近、岐阜県のある地下鉄の駅に最新の研究成果を展示する施設を設置するなど、大学が地域経済の活性化に貢献した模範例と評価されている。

大学がスタートアップを育成して地域経済に貢献することも日本の各地で起こっている。「学生起業の意志のない学生の入部はお断り」という異色の加入条件を掲げて話題になった九州大学の創業サークル「起業部」も一例だ。

昨年、同大学の医学部4年生の飯塚統さんは、起業部の活動によって医師専用の病理画像検診ソフトウェアのベンチャー企業「メドメイン」の設立を準備している。人工知能(AI)を利用して細胞の画像資料を確認し、はやく簡単に診断するソフトウェアは、飯塚さんと学生4人が開発した。現在、九州大学病院で試験活用中であり、2年内に商品化する計画だ。飯塚さんは、起業部で起業計画を進め、九州大学出身の実業家や弁護士、公認会計士など約50人にコンサルティングしている。学生起業家が実業家に成長できるよう大学は同窓ネットワークを結びつけるなどの支援をしている。同大学関係者は、「大学からベンチャー企業が多く誕生すれば、地域にも貢献し、大学のイメージも上がるので、大学もベンチャー育成を積極的に行っている」と話した。

京都=黃泰勳 記者 beetlez@donga.com