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「男性65歳、女性60歳から支給」 プーチン大統領が年金改革を強行

「男性65歳、女性60歳から支給」 プーチン大統領が年金改革を強行

Posted October. 05, 2018 08:32,   

Updated October. 05, 2018 08:32

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ロシアのプーチン大統領が、就任後、最も激しい国民の反発にもかかわらず、老齢年金の受給開始年齢を引き上げる年金改革案に署名した。

プーチン氏は3日、年金改革案が圧倒的な賛成(賛成149人、反対5人)で議会上院を通過すると、すぐに署名した。この改革案により、ロシアでは来年から2028年まで順次、男性は60歳から65歳、女性は55歳から60歳に年金受給開始年齢が引き上げられる。

プーチン氏としては政治的な負担を甘受して下した決断だ。今年6月、ロシア政府が年金改革案を発表すると、これに反発する大規模なデモが全国各地で同時多発的に起こった。期待寿命が66歳のロシアの男性たちは、「(年金を65歳から受けろということは)死ぬ直前まで働けということか」と強く反発した。年金改革案は、プーチン氏に対する支持率も下げた。今年3月に4選に成功し、80%台を維持したプーチン氏の支持率は、年金改革案発表後60%台に落ちた。各種世論調査では、ロシア国民の約90%が年金改革に反対した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には、プーチン氏が2005年に年金受給の時期を遅らせることに反対する演説動画が登場し、発言の変化に非難が溢れた。

2ヵ月間沈黙したプーチン氏は8月、放送演説で、「国民に苦痛を与える年金制度の変化に常に反対してきたが、人口統計学的に年金改革以外に代案がない」とし、「年金制度を改革しなければ、国家安保危機にまで至る経済的貧困へと致命的な結果を招くだろう」と国民に呼びかけた。改正年金法が適用されれば、ロシア連邦政府は年間2兆千億ルーブル(約39兆2600億ウォン)を削減することになる。

にもかかわらず、年金改革の推進に対する反発は収まっていない。先月、ロシアのウラジミール州と極東ハバロフスク州の州知事選挙で、与党の統一ロシアの候補が惨敗した。ペスコフ大統領報道官は3日、大統領府がプーチン氏の支持率暴落を憂慮しているという報道を否定し、「大統領はただ国民のために仕事をしている」と述べた。

女性の年金受給開始年齢を63歳に8歳引き上げようとした当初の計画から60歳に5歳だけ引き上げたプーチン氏は、3人以上の子を持つ女性の場合、早期退職できるよう例外条項を置き、年金受給の年齢が近づいた労働者を解雇したり雇用を拒否する企業に罰金を科すなど補完策も提示した。


董正民 ditto@donga.com