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「終戦宣言+α」を狙う北朝鮮、誰が勢いづけたのか

「終戦宣言+α」を狙う北朝鮮、誰が勢いづけたのか

Posted October. 03, 2018 08:50,   

Updated October. 03, 2018 08:50

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北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、論評で、「終戦は誰かが誰かに与える配り物ではなく、私たちの非核化措置と交換できる駆け引きの対象ではない」とし、米国が終戦を望まないなら、自分たちも執着しないと明らかにした。同通信は、「米国が終戦宣言に応じる見返りに核計画の申告と検証だけでなく寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄やミサイル施設廃棄などを受けなければならないという荒唐無稽な詭弁を弄している」とし、米国の「非核化先行」要求を非難した。

北朝鮮が何かに執着しないと話す時は、その何かに「プラスアルファ(+α)」まで受け取るということだ。すでに終戦宣言は受け取ったも同然だから、ついでに制裁緩和まで勝ち取るという思惑だ。北朝鮮が終戦を「最も基礎的で先次的な工程」と規定し、「60年前にすべきだった措置をめぐって、今になって見返りを要求する仮面劇をしている」と非難したのも、終戦宣言は既成事実にし、別の譲歩を得るという典型的な手法であることをうかがわせる。

北朝鮮がこのように要求の程度を高めるのは、南北首脳会談を機に米国が融和的な姿勢に変わり、停滞していた米朝対話が修復されているという計算によるものだ。ここに中国とロシアはもとより韓国政府まで北朝鮮の肩を持つ態度を見せ、一層意気揚々になったムードだ。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は1日、国会で、「北朝鮮の核の申告がなされるまでに米国が相応の措置を取らなければならない」とまで述べた。これだから北朝鮮が勢いづくのだ。

米朝対話はいまだに特別な進展がない。ポンペオ米国務長官と北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相の儀礼的なニューヨークの出会いが全てだ。米国が北朝鮮にオーストリア・ウィーンで開くことを提案した実務協議も便りがない。北朝鮮は、実務協議を越えてポンペオ氏の4度目の訪朝、そして2度目の米朝首脳会談につながるトップダウン方式を望むようだ。しかし、トランプ政権は十分な実務交渉なく高官会談に直行することの危険性を警戒している。このような状況で、韓国政府が対話を促進するといって一方の肩を持つことは、交渉の進展に決して役立たない。対話局面に転換されたのだから、今は静かに見守る方がいい。