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高騰する住宅価格に「不動産うつ病」を患う社会

高騰する住宅価格に「不動産うつ病」を患う社会

Posted September. 06, 2018 08:57,   

Updated September. 06, 2018 08:57

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ソウル、その中でも江南(カンナム)を中心に高騰する住宅価格のため、国民の大半は虚しさを感じている。住宅価格だけは抑えたいという政府の言葉を固く信じて住宅購入を先送りした人たちは、大変後悔しているという。テナントたちのマイホームの夢がますます遠ざかったのは言うまでもなく、住宅を持っている人たちでさえ、相対的な剥奪感を感じて、より住宅価格が上がった地域に家を購入しなかったり、住宅を売ったことについて、夫婦がお互いに相手のせいだと主張し罵り合う家庭不和もしばしば聞こえている。

ある人は何もしないで数ヶ月間で1億ウォンを儲けるのに、週52時間ずつ1年間きっちり働いても1000万ウォン、いや100万ウォンも貯めることができないことを考えると、誰が働く意欲を起こすだろうか。少なくとも国民の半分が「不動産うつ病」を患っているという声まで出ている。所得主導成長をいくら叫んでも、高騰する住宅価格の不労所得の前に、這うようなスピードで増える勤労所得であれば、何ら意味がない。

今年の4人世帯の中位所得(425万ウォン)で、ソウル地域の平均価格(6億9159万ウォン)のマンションを購入するためには、12年8ヶ月間一銭も使わずに貯めなければならない。青年たちが家を放棄したことで、恋愛や結婚、出産までも放棄するドミノが続いている。ソウルに家を持つ老後の世代も、住宅価格の上昇がひたすら嬉しいことではない。引退後の収入はあまりなく、家一軒を持っているだけなのに、住宅価格の上昇でますます増える税金を払えるだけの能力がない。住宅年金に加入したくても、家の相続を受ける日ばかりを待っている子供たちのためにそれもできない。

それでも地方に家を持つ人々はソウルに家のある人を、ソウルでは江南に家を持つ人を羨望を超えて、妬みの視線で眺めている。2008年のグローバル金融危機で住宅価格が一度大きく下落したうえ、出生率の低迷が続いたことで、韓国でも不動産不敗の神話が崩れるかと思ったが、再び蘇って燃えている。家を不敗の安全資産とみて、お金を掻き集めてつぎ込む投機行為は、マクロ経済の健全な発展まで脅かしている。

住宅価格の暴騰が、家庭不和はもとより、社会的違和感を超えて、社会対立の要因へと突っ走っている。住宅価格を安定させるためには、政府はもとより、与野党を問えない。特に野党も政府の不動産政策の失敗を政治的好材料として利用する考えなどせず、協力する姿勢で建設的な代案を出さなければならない。実は今の住宅価格の高騰には、過去の政府の時、景気活性化のために「借金をしてでも家を買え」と過度の不動産扶養政策を執った責任もないとは言えない。政治の目的は、少なくとも働きがいのある社会を作ることだ。働きがいのない国民が増えてきて、社会に投機心理がたまることほど、国が憂慮すべきことはない。