初のアジア大会４強進出のベトナムで「朴恒緒・コリア」フィバー

「パク・ハンソ（朴恒緒）！パク・ハンソ！」

待ち焦がれていたグエン・バン・トアン（２２）の決勝ゴールが決まると、ベトナムの首都ハノイの繁華街に集まった市民数千人は一声に歓声をあげた。

サッカー・ベトナム代表は２７日、ジャカルタ・パレンバンアジア大会の準々決勝で延長にもつれ込む大接戦を制し、シリアを１－０で４強に進出した。ベトナムがアジア大会男子サッカー準決勝に進出したのは初めて。今年１月のアジアサッカー連盟（ＡＦＣ）２３歳以下選手権でベトナムを準優勝に導いた「朴恒緒マジック」がアジア大会でも続いた。この日競技場を訪れたベトナムサポーターたちはベトナムの建国の父、ホーチミンと朴恒緒監督の写真を並べて持ち上げながら熱い応援戦を繰り広げた。

この日、ベトナムの街角は応援で盛り上がった。オートバイの国とも言われるだけあって、ハノイの都心では延々と続くオートバイの行列が中心街のホアンキエム湖周辺を走り回った。湖の周辺道路と広場を埋め尽くしたオートバイの行列は、国旗の金星紅旗を振り、時には赤い爆竹を打ち上げた。

市民たちは各地で「パク・ハンソ」を連呼した。朴監督の顔が描かれた赤い旗はもちろん、朴氏の等身大パネルが登場するほどだ。韓国人観光客のイ・ハンビンさん（２８）は、「会う人一人ひとりが『コリア』と『パク・ハンソ』を叫んでいた。韓国人であることに気づいたベトナムの市民たちには次々とハイタッチを求められた。飲食店ではビールをタダでもらった」と笑った。

ベトナムのネットメディア「ＶＮエクスプレス」は、「朴監督と代表選手たちが、またもベトナム国民を誇りをくれた。ベトナム全国を熱狂の渦に巻き込み、夜通しで盛り上がった」と報じた。

同メディアのベトナム語版は２８日、朴監督が韓国戦に触れながら選手たちを励ます動画をメインに掲載した。朴監督は、動画の中で「次の相手は韓国だ。何も萎縮することなどない。韓国も延長戦を戦ったので疲れている。僕らはベトナムだ。それを忘れるな」と勝利への奮起を促した。


チョ・ウンヒョン記者 yesbro@donga.com