Go to contents

緻密かつ慎重な呉世昌

Posted August. 24, 2018 09:35,   

Updated August. 24, 2018 09:35

한국어

澗松(カンソン)美術館に保管されている澗松全鎣弼(チョン・ヒョンピル)の美術品コレクションのほとんどは、葦滄・吳世昌(オ・セチャン)先生の鑑識眼で行われた。呉世昌は3・1独立運動当時、独立宣言書に署名した33人の一人でもあるが、書画鑑定や収集、篆刻、書道など優れた足跡を残した。先生は三国時代から日本植民地時代までの歴代書画家たちの文字と絵を集めて、「槿墨」「槿域書彙」「槿域畵彙」「槿域書畵徵」を編纂した。「槿域」は「ムクゲの丘」という意味で、韓国を意味する。この資料は、ソウル大学と成均館(ソンギュングァン)大学などに所蔵されている。

「富古齋珍賞」というタイトルを付けた作品は、中国の周、齊、秦、漢、新などの七国の珍しい貨幣を拓本して、ゴマ粒のように小さな活字で、その説明を書いた。

その中間に葦滄先生が直接刻んだ非常に小さな判子28個を打ったが、あるものは縦横が3ミリと小さすぎてルーペで見てこそ読み取ることができるほどだ。このような小さな文字は、非常に緻密さ、慎重さ、集中力、精密な考え方、現実感、冷静な抑制、注意力と警戒心、謹慎、謙虚、節制などを意味する。このような人々は、自信不足、情熱不足、消極的、ためらい、ケチなどの傾向を見せることもある。論理的で緻密でなければならない学者たちは主に小さな文字を書く。

先生の字は小さくて細かいが、だからといって一律的ではなく変化を追求しており、不規則な特徴も見られる。このような特徴は、芸術的感性、創造性などを意味する。このように几帳面で慎重であり、緻密でありながら、同時に芸術的感性を備えてこそ、書画鑑識を正しく行うことができるので、並大抵のことではない。書画鑑識は気前よくやるものではなく、ためらいとケチに行動しながら行うものである。

弁護士・筆跡研究家